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裏目な日とスロカス根性とご都合主義なジンクス

不運度:★★★★

酩酊度:★

(スロットでよく外しそうな、という意味での)

期待度:★★

何もかもうまくいかない。そんな状態がしつこく続く時期がある。スロットが絶不調だったり、仕事でヘマばかりしたり。幸か不幸か、私の場合だと片方が悪い時は、もう片方が良くなるのだ。スロットの調子が悪い時は仕事が順調で、スロットが絶好調の時は仕事で事故りやすい。スロットor仕事という生活も如何なものかと。


最近は創作の方に熱中しすぎて、あまりスロットを打っていない。創作の合間に見る動画はスロットの実戦動画ばかりで、視聴しているうちにホールへ行きたい気分になってくるものなのだが、今は創作の方が純粋に楽しいからなかなか行く気が起きない。ギャンブル熱を我慢できることは大いに望ましいことではあるが、世間一般からすると当然のことだ。博打はやらないに越したことはない。


煙草の煙が充満する部屋で創作に打ち込むという至って健全な生活を満喫するようになった私に、相も変わらず律儀にスロットの経過報告をLINEで寄こしてくる人がいる。私の唯一のスロ仲間、豊島さんである。彼は休日のみならず、仕事帰りにもホールに寄っているらしい。土日ともなればその日の大当たり演出を撮って私に送ってくることもあれば、平日に打った時に出したプレミア演出まで自慢してくることもある。いいからさっさと茂松さん誘って、飲みの計画立ててくれっつの。


とまあ、彼への愚痴はさておいて。しばらくスロットを打っていない私が、これはもうがっつりスロットを打って色々と発散しなければと思い立ったことがあったので、それについて語ろうかと。







関わってくるのは何を隠そう、ツナメさんである。ちなみに前回の記事で散々ネタにしていたが、ツナメさんが髪を切ったというのは私の勘違いだった。たまたまいつもと髪型のセットが違っていただけで、次に彼を見かけた時は元の前髪を上げた髪型に戻っていた。すげー似合ってたのに、と残念がっているのは私だけだろう。彼としてはおそらく前髪を上げている方が楽に違いない。


ツナメさんが訪れる時間は大体決まっている。十数分は前後することはあるが、その時間帯を過ぎてしまえば来ないのはほぼ確実だ。来ないと確信してから退勤までの時間というのは、私にとって本当に憂鬱で仕方ない。


だがこの記事を書いている今日は、なんといつもより1時間も早く顔を見せたのだ。不意打ちもいいところだ。幸い店長が裏で作業をしていてレジが私一人という状況とはいえ、運悪くツナメさんが後ろに並んだ一人前の客は少々厄介な会計をしている最中だった。


なんてことはない、切手を買い求めてきた客だったのだ。だが切手を用意するのは多少時間がかかるし、頻繁に切手を買い求める客はウチの店では少ないので、私は少々手間取っていた。彼がその客の後ろについたのを確認して、余計に焦っていた。待たせてはいけないというより、早く彼の応対をしたいという自分本位の欲が、私の手元を狂わせて会計を長引かせてしまった。


早く済ませないと作業を終えた店長が売り場に戻ってきて、彼を隣のレジに誘導してしまう。全速力で切手の用意を済ませて先に客に手渡し、金銭を受け取って釣り銭を手早く用意する。店員の慌てぶりにその客は後ろに何組かレジ待ちをしていると察したのだろう。レジの正面からわずかに横にずれて、即座にその場を離れられる準備をしてくれていた。空気の読める御方だ。そんな貴方のためにご用意させていただいた釣り銭とほんのささやかな私の感謝の気持ちを、それはそれは丁寧に確実にしっかりと――



「お待ちのお客様どうぞー」



…店長は決して、空気の読めない御方などではない。







不運が重なっただけである。たまたまツナメさんがいつもより早く訪れた。たまたま会計に時間を要する客の後ろに並んだ。1時間ほど前から作業をしていた店長がたまたま戻ってきた。これらの偶然のどれか一つがほんの少し前後してくれていれば、私は一人もどかしい気持ちを抱えずに済んだし、予定になかったツナメパンの投稿に踏み切ることもなかった。来ていたことに気付かないで済んでいた方がまだよかった。偶然が前後して店長のレジで会計を済ませて、今日も来なかったなと憂鬱がる方がまだマシだった。


とてもじゃないが、もはや習慣となった帰宅してから就寝するまでの創作に打ち込む気には、今日はなれない。自分の運の悪さ。自分の手際の悪さ。自分勝手な都合で陥っている気落ちぶり。人一倍自己嫌悪の度合いが激しすぎる私にとって、今回の件は大きくモチベーションを下げられた。


未練がましく店長の打っていたレジで購入履歴を確かめた私は今、彼が買っていった500mlのチューハイとフライドチキンを口にしながら、この記事を書いている。酔った頭ではどのみちろくに小説は進まないだろうし、これを投稿し終えたら早々に寝るつもりだ。寝付けなかった時は、本編には手をつけずにプロットを進めようと思っている。それか、翌日投稿する予定の小説の活動報告を先に仕上げてしまおうか。


いずれにせよ、私は翌日になったら出勤前にスロットを打ちに行く決意を固めている。これだけ仕事絡みでの不運が重なったのだ。スロットでよほどいい結果を残せる兆しに違いないのだ。


思考パターンはクズそのものだが、質はどうあれ考え方が前向きであるならいいではないかと、もはや開き直りきっている。

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