真夏の腐乱死体
スーツの袖に手首を通して見え出す君の速度はどうやら、
いつか見た知らない僕達にシンクロして居て。
ラディッシュの赤とレタスの緑が、ボウルの中で溶け合いそうです。
いつも通り、見知った僕達がデジャヴする様に。
真夏の腐乱死体。排気ガスは甘くて、
何もない僕だって、君を手にして居た。
大人同士眺める。言葉もなく始まる。
今もまだ、君の笑顔に毒されてる。
恐ろしい朝も今ではシュールで。抜け出す僕にさながらエールを。
稀に見る、楽しげな世界じゃ孤独な気がして。
地球上のどこかに君と居るこの奇跡。
それだけで良いなんて、「僕」を偽って居た。
嘘みたいな静けさ。胸を突き刺した夜。
今はより、子供みたいに泣けそうです。
白黒のこの空。熱帯夜咲いた花。
そのままを切り取って居られたら、どれほど……。
真昼のフランス隊。通貨ドルじゃ甘くて、
何もない今日だって、Euroを手にして居る。
大人同士眺める。言葉もなく始まる。
今もまだ、君の笑顔に毒されてる。
毒されてる。