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廻り続ける。
「星みたい、ですね」
幾度も重ねる逢瀬の中、少女がポツリと漏らした言葉。
「星?」
「そう、瞳。星みたいにキラキラしてます」
青年の銀色の瞳が大きく揺れた。今はただ愛しさに溢れた瞳を細めて、愛する彼女を眺めている。
「それなら」
そっと彼女の髪に触れる。
「君の髪の方が、星っぽい」
綺麗だ、その言葉を飲み込む。不甲斐ない自分は、ただ風になびく銀色の髪を見ることしかできない。
それでも、伝えたいことは。
「エルナ」
え、と小さな声が漏れ聞こえた。言いたいことは言わずもがな分かっている。――なぜ、名前を知っているのか。教えていないのに。
そう目で訴える彼女の足元には、エルナ草が咲いている。
「エルナ、好きだ」
頭上では、銀色の月が飄々と笑っていた気がした。
我が伝えられるのは、ここまでだ。
あとは、きっと誰かが語ってくれる。それだけで、我は満足だ。
――我の正体? それこそ、語るのに不必要である。謎のままで不都合なことはあるまい。
確かな物語をここに残して、この世界は廻り続ける。永遠に。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
拙作を「面白い」と感じていただければ、何よりの幸せです。
最終話までお付き合いくださり、本当にありがとうございました!




