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ダメだと
どうしても気になっていたこと。
「俺のこと、どうなってる?」
会って何度目かにようやく訊くと、「どうって?」意味を測りかねたようで、少女は疑問の眼差しを青年に向ける。
「だってさ、結構な混乱が起きてたらしいし……。突然俺が消えたからどうなってんのかな、って」
「あ、そういうことですか。別に、気にしなくっていいですよ」
あまりにもあっけからんと言う少女に、違和感を覚えた。
何かを隠しているようで、思わずじっと顔を見つめる。
「……目、赤い……」
「あ……」
小さな手で目を押さえると、苦笑いを浮かべた。
「曇りだから、わからないかなって思ってたんですけど。やっぱり、わかっちゃいましたね」
「何か……あった?」
「いえ、そうじゃないんです。そうじゃないんです……。えと、最近仕事が立て込んでて。あんまり眠れてないんです、本当ですよ」
なおも彼女は大丈夫と笑った。
そう強がって笑う彼女が、すごく痛々しくて。でも、ひどく〝愛おしい〟と思った。
この感情は絶対ダメだ――ダメなんだ。頭ではわかっているのに、それを止める術を知らない。頭の中で、何度も何度もダメだと自分を閉じ込める。
どうすればいいのか、わからなかった。
ただ無意識に、彼女に腕を伸ばしていた。




