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He is called 'BRAVE'

「レディンさん、おはよう!」

「おはようございます勇者様。」

「クレイオ様、おはようございますぅ!」

「よう!いい朝だなレディン!!」

朝の大通りは賑やかだった。

見知った人が顔をあわせるたび、にこやかに声を掛けてくれる。

「みんなおはよう。今日もいい天気だな。」

レディンもにこやかに挨拶を返す。

「今日はどこに出かけるんだい?」

店の前を通りかかったとき、パン屋のおばさんが焼き立てのパンを放り投げながら聞いてきた。

「っと、ありがとう!今日から1週間ほどバルディオス山脈に遠征なんだ。」

「えぇ!?じゃあもしかして火吹竜の所か?」

パン屋の横の靴屋の親父さんがビックリした声を上げる。

「ああ、中々の大物らしいんで早く退治しないと。皆困ってるしね。」

にっこり微笑んで言うレディン。

「そんな危険な怪物相手に一人で行くきかい!?」

「今回はちゃんと仲間と行くよ。信頼できる頼もしいのがね。あいつらがいれば大丈夫。」

レディンは力強く言った。

その言葉は自信に満ち溢れ、聞くものを納得させる。

「いやぁ!ウチの勇者様は頼もしいねェ!!」

「ホントだな。おかげでゆっくり話しも出来やしねェよ!」

ちくしょーっと悔しがる親父さんを、無理言うもんじゃないよ!とおばさんが叱る。

「ははは。有難うございます。そう言ってもらうと嬉しいよ。それじゃ。」

レディンはそう言うと軽く手を振ると歩いていった。

「イイやつだよなぁ!」

「本当に。私たち自慢の、いや街上げての大出世人だよ!!」

二人は誇らしげに語り合うのだった。

レディンの噂は急速に広まりつつあった。

13歳という若さで、世に名を馳せる騎士国家バイトンの騎士隊に名を連ねた。

が、17歳になると突然騎士隊を除隊、その後フリーの傭兵へと転向した。

以来、傭兵ギルドに所属することになる。

しかし、レディンが望んで請け負う仕事は報奨金が少ない割に危険な物ばかりであった。

ギルドに依頼してくる人は様々だが、中には貧しい人々の悲痛な訴えもある。

現在この世界には魔族が闊歩している。

幸い軍団として成り立っている数は少なく、各国の軍事力で抑えることは可能だった。

しかし、軍団とは別に個別で人々を襲う魔族の方が圧倒的に数が多い。

中規模な町ならば自警団や隣国の騎士団などで迎撃する事も出来るだろう。

しかし、点在する小さな村ではそれも無理だった。

残された道は少なく、近隣国からの助けを待つか、高い報奨金をだしてギルドから傭兵を派遣してもらうか、なすすべも無く魔族に蹂躙されるのを黙ってみているかである。

レディンはそんな人々の依頼を率先して請け負い、圧倒的な強さと早さで解決する。

時には無償でギルド以外の個別依頼も受けている。

貧しい人々の前に颯爽と現れ悪を打つ。

何時しか彼等はレディンの事を勇者と呼ぶようになっていた。


レディンは街のはずれにある一軒の小屋に脚を運んだ。

「クロノスいるか?」

木製のドアをノックするが返事はない。

「おかしいな出かけてるのか?約束の時間に来たって言うのに・・・」

そういってドアを開けた瞬間何物かが切りかかってきた。

しかし、レディンは焦ることなく剣をすばやく抜いて剣戟を受け止める。

「ったく、可愛げのないやつ。少しは慌てるとか、ビックリするとかないのか?」

「これから出かけるんだ、冗談事してないで早く支度をしてくれ。」

「はいはい。あいかわらず面白くないヤツだなぁ。久々のご対面だって言うのに。」

うんざり顔のクロノス。

「そうか・・・あれから一年になるんだな。」

「ああ、お前が調子に乗って西大陸の魔族討伐になんか行くからだ。」

「まあ、良いじゃないか生きて帰ってきたんだから。」

「これが戦場では魔族にまで恐れられた『青き閃光』」かよ。」

呆れ顔のクロノス。

「そんなの勝手に皆が呼んでるだけだよ。俺よりすごい人は沢山いたよ。

青竜騎団のナインブレード様なんか名前の通り九つの刃で攻撃してるようだったんだ!」

レディンはそのときの興奮を思い出したのか拳に力が入る。

「ま、積もる話しは旅の道中で聞くよ。」

「・・・そうだな。長旅になるだろうし、早く行かないと困ってる人達が可愛そうだ。」

「今度のヤツはバルディオスの・・・ドラゴンだよな?」

一筋の汗がクロノスの額をつたう。

「ああ、体長5mほどの小物だけどな。火を吹くんでやっかいなんだ。」

「小物でもドラゴンだぜ?!出来れば相手にしたくねぇな。」

「じゃあ、残れば良い。」

「そうは言ってないだろ。ったく、相変わらずいぢわるな奴だよな。」

「ふふふ。」

「もう、支度は出来てるさ。じゃいこうぜ!ってもう居ねぇ!?」

レディンは背を向けてすたすたと歩き始めていた。

「待てってばおい!ったくしょうがねぇ自分勝手なヤツだな。」

クロノスはそうボヤキながらも嬉しそうにレディンの後を追いかけて行くのだった。

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