墓守と少女の出会い
初投稿なため、文脈など拙いところばかりだとは思いますが、よければ暖かく見守ってくださるとうれしいです…
あらすじ
ここに人見知り墓守冒険者と転生少女の物語が始まる…?
登場人物
亡霊騎士(墓守)
コミュ障冒険者。見た目は亡霊騎士。
幼いころから騎士に憧れて冒険者になったが、人見知り過ぎて誰にも話しかけられず、墓地にいる管理人に拾われ、墓守として働きながら冒険者を続けている。
転生少女(幼子)
高校1年生の天才美少女(自称)
性格がちょっと人とは違うため、学校でいじめられて、家に引きこもっていたが、とある出来事に巻き込まれ、別世界へと転生することになった。
酷い有様だな……
まるで全てが悲惨な方向に向かっていった結末なのだろうか。
夜中にギルドから、馬車が魔物に襲われて酷い状況だと報告を受けていたとはいえ、ここまでとは思わなかった。
どうやら非合法の奴隷商人が使っていただろう馬車が、魔物に襲われたようだ。今では粉々に破壊されており、所々に人の残骸なるものが落ちている。
これでは、墓に埋葬するにも大変だろう。
いっそここで火葬した方がいいのかもしれない……
「一応ギルドに何か提出できる物だけでも探しておくべきか……」
側から見れば死体漁りをしている夜盗にしかみえないが、れっきとしたギルドの依頼できている。
まあ、たまにその種類の輩と鉢合わせたりすることもあるが……
どうやら、馬車に乗っていた檻だけは無事なようだ。中身がどうなっているかはあまり見たくはない。
「誰かいるか?」
こんな状況で、誰かの返事が返ってくるわけがないが、形式的に聞いてみる。
「だれか……たすけて……」
帰ってきた返事は、か細いながらも小さな声だった。
「ッ!?」
あり得るはずもない返事が返ってきて驚く。
直ぐに檻に近づき目を凝らしてみる。
暗闇の中ではあまりよく見えないが、そこには弱りきっている華奢な少女の姿が横たわっていた。
その少女は白髪で眼はルビーのようで顔が整っており、まるで人形のように思える。
少女に自分が見える位置まで、檻に顔を近づける。
「だいじょうぶか……?」
恐る恐る少女に語りかけてみた。
「あなた……は……」
弱りかけた言葉を発する。
「まもの……?」
≒
私は高校1年生の天才的美少女な高校生だった。
友達もたくさんできて、誰もが羨む女子高生が華々しく学校生活を送るはず……だった……
周囲のクラスメイトからは敬遠され、私の周りから少しずつ離れていった。
友達だと思ってた人達から裏切られ、挙句の果てにあることないことを噂されて、学校から追い出されるような状況になってしまった。
そして、私は現実に絶望して家から出たくないと思うようになり、家にこもるようになっていった。
そんなあるとき、パソコンで調べ物をしていると、異世界に行ける方法があるという広告が流れてきた。
まあ、どうせ何かの誘導広告に過ぎないだろうと思っていたけど、暇なのでクリックすることにしてみる。
すると、急に目の前が暗転して謎の真っ白な空間に飛ばされてしまった。
そこで神を名乗る謎の人物に、他の世界で暴れている魔王を打ち倒すことができれば、どんな願いでもかなえてくれると言ってきた。
なら、私を裏切っていった人たちを見返したい、もう一度やり直したいと思い、迷うことなく異世界に転生した。
した____はいいが……
まさに異世界ハードコアモード。
あの神はとんでもない条件で私を転生させたのである。
まず最初に、謎の組織に実験台として捕まえられていたところから始まった。
そのあと、施設からステルスミッションをこなし、命からがら逃げだしてきた。
次に、お腹が空いてしまい行き倒れていたところに、奴隷商人の集団に見つかってしまった。
そこで力を使い果たした私は、すんなりと捕まってしまったのである。
しかも、私が天才美少女なので価値があるのはわかるけど、なぜか堅牢な檻に閉じ込められてしまった。
どうにか脱出しようにも力が出ない。
ん? もちろん神様に何か特別な力を授けられたんだろうって?
もちろん授かった。
私はなんでもできる天才なのだから、なにか私が足りなかったところを補える力がほしいと思った。
そこで、前世の私には人の想像しているところ、思っていることを、しっかり見抜ける力が足りなかった。
だから、どんな人であっても、その人の深層心理を探り当てることができる力を神に欲した。
確かによくある異世界もの主人公であれば、自分だけの最強の力、なんでもできる武器や魔法など、もっと魅力的な力を願うだろう。
だけど、すでに天才である私には到底いらないものである。
身一つで異世界へと降り立ち、RTA並みの速度で攻略してやろう!
と思っていた時期が私にもありました……
まさかこんなか弱い少女に転生してしまうとは……
こんな体じゃ何もできやしない。
あと、奴隷商人の深層心理がわかったところで、下劣な想像をしていることが誰でもわかるので、まったく意味をなさない。
そんなさなか、深夜に馬車で輸送されているところに魔物たちが襲来したのである。
どうやら、周りの人間たちはたやすく命を終えていったが、私だけは運よく固い檻に守られていた。
だけど……こんな状態でどうやって檻からでられるのであろうか。
このまま誰にも見つからず、飢え死にしてしまい、あっけなく新たな人生が終わってしまうのかな……
そんな時、誰かの声が聞こえた。
暗闇で何も見えないけど、どうにかして気づいてもらうしかない。
「だれか……たすけて……」
今出せる全力の力で声を上げた。
すると、近くに金属のこすれる音が近づいてきた。
これで誰かに助けてもらえる!!
もしかしたらカッコイイ騎士に助けてもらえるかも!?
と思っていた。
そしたら…
「だいじょうぶか……?」
そこにいたのは騎士のように甲冑は来ているものの、まるで亡霊騎士のようなボロボロの外套を被った魔物だったのである。
人語を発しているが、よくある異世界自動翻訳されて私にもわかるのか、はたまた人の皮をかぶった恐ろしい魔物なのか判断ができない。
あーわたしおわったんだな……
今度こそ全てをあきらめてしまった。
魔物が今まさに檻をこじ開けて私を捕まえようとしている。
誰でもいいから本当に助けて……
身を差し出すように前に倒れこむ。
「なにをしているんだ?」
魔物が再度、人語を話しかけてきた。
「だって私を捕まえて食べたりするんでしょ……?」
「たべたりしない……」
魔物が首を小刻みに振る。
どんな目的で私を利用されるのだろう。
もしかして……
「まさか……天才美少女の私にあんなことやこんなことをしようとしてるの!?」
確かに見た目は麗しいから、酷いことをされるに違いない。
「……」
人語を話していた魔物が黙る。
何を考えているのだろうか……?
鎧の隙間から何かのドッグタグのようなものを取り出してくる。
「おれはギルドの要請でここにきた。馬車が襲われたと聞いている」
「だから、君を食べたりへんなこと? はしないし…………あとそんな度胸はなぃ……」
どうやらこの世界のギルドというところからの、依頼だったらしい。
でも開幕発動している、私の深層心理スキルが発動できない時点で、人間ではないと読んでいるのだけれど……
そんなこんなで迷っていると、自身から発せられる可愛らしいおなかの音が鳴ってしまう。
相手が魔物とはいえ恥ずかしい……
「これ、たべるか?」
魔物が腰についている袋から飴玉? のようなものを取り出してくる。
私は天才美少女であってこんな子供が好きなような飴玉につられるわけが……
「いる! 早く渡しなさい!」
「そ……そうか……」
体が訴える欲望には抗えなかった。
私が魔物からもらった飴玉を勢いよく口で転がしている。
まるで本当の幼児だわ……
「あと、ここは危険だ。どこか安全な場所に移動する」
そういうと背中を見せてくる。
もしかしておんぶをしてくれるのだろうか。
飴玉で栄養を摂取したが、体はまだまだ力が出ないし、微塵とも動かせない。
ここは、もうどうにでもなれの精神で魔物についていくしかないだろう。
「わかったわ。あとできるだけ優しく運んでね」
「善処する……」
私は魔物の背中に精一杯飛びつく。
当たり前なのだけど、外套の上からでも鎧の背中がごつごつしている。
でも、幸いなことに少女の体にはちょうど良く収まっていて心地いい。
「では移動するぞ?」
「お願いしま……す……」
そこで、私の疲れ切った精神の意識は途切れてしまった。
最後まで見ていただきありがとうございました!
次回の投稿は、いつになるかは未定ですが、早めに投稿できるように頑張りたい…
あとサバランエイロー名義で執筆配信をしていたりするので、時間がある方は良ければそちらもどうぞ。




