準備はできた?
「きちんと化粧はしたかしら」
「もちろんよ。ほら、みんなと比べても、わたしが一番ハデでしょ」
「ハデだからいいってものじゃないのよ。こういうのは、タイミングと飛び方なんだから」
「そんなのわかってるわよ。タイミングはともかく、飛び方はどうにかなるんでしょ?」
「それはそうだけど、あなたそそっかしいから、ちゃんと飛べるかしらって心配で…」
「『飛べばすぐに飛び方もわかる』でしょ? 何度も言ってたじゃない」
「それはそうだけど…」
「一生に一度の晴れ舞台なんだもの。絶対にうまくやってみせるわ」
「…わかったわ。がんばりなさい」
「…」
「…どうしたの? やっぱり怖い?」
「ううん、その…さ…」
「なあに?」
「…さ…ありがとう」
「…こちらこそ。さ、時間よ」
「ママ、見て! 流れ星!」
「あら、ホントね。そういえば今日は、なんとか流星群ってテレビで言っていたわね」
「ママ、あれ見て! ピカピカの流れ星」
「わっ、ハデな流れ星だったわね。…でも、きれいだったわ」
「ママ、お願いごとしよう!」
「そうね、お願いごとしましょうね」