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21話 七不思議デスマッチ

「七不思議デスマッチ……?」


「何なんだろう……」


 聞き馴染みのない言葉に戸惑う私達。



『ん……?あっ、見て。あんな所に人間が居るわ!』


 すると、此処でようやく七不思議っぽい怪異の『女性教師っぽい人』が私達に気が付いた。


『おやおや、これまた哀れな挑戦者が現れたようだね。可哀想に』


 宙に浮かぶ音楽家の肖像画が私達を見つけ、愉快そうにしながら語りかける。


「……何あんた達。此処は軽い気持ちで肝試しに来るような場所じゃ無いよ」


 人間側にいるリーダーっぽい人『雑音』が、私達に冷ややかな視線を向けながらそう吐き捨てた。


(人間達は結構真面目に来てるみたい……?確かカゲリさんは「被害者の友達は悪ふざけで廃校に侵入した」とか言ってたけど……?)


「いえ、私達も本気で来てます!あの……貴方達は一体……?」


「よくぞ聞いてくれたっす!ウチらは天辺高校てっぺんこうこうの軽音楽部!普段はごく普通の女子高生として通い、裏では妖怪退治バンド・コエクラブとして悪い妖怪と戦ってるんす!」


「あたしがリーダーの雑音華ざつねはな!」


「自分は部員の打縁奈々だべりななや!」


「だから此処はコエクラブに任せて!あんた達は逃げな!!」


(……多分、悪ふざけで入ったんだろうな……)


 カゲリの言葉は正しかったと私は確信した。


「違います。貴方達を助けに来ました」


『助けに来たの?犠牲者を増やしに来たんじゃなくて?』


『アッハハハハ!おもちゃ増やしに来てくれたんだ!やっさしー!』


『おいおい……そんな事言ったら可哀想だよ……まあ真実なんだけどね』


 七不思議達は私の助けに来た発言に大笑いし、私を思い切り煽ってきた。それならこちらも答えねばなるまい。



「……犠牲者は増えるかもしれませんね。正確に言うと約七体程出るかもしれません」


「夢居さん!?何で此処で煽るの!?」


 私の発言に利子川は驚き、私の肩を力一杯揺さぶる。


「へぇ……あんた達、中々言うじゃないか。気に入ったよ!」


「お2人の力強い言葉……自分の胸に刺さったっす!」


「待って!?何か僕も相手煽ったみたいになってるんだけど!?」


 派手な人間2人組は私の発言を気に入ったようだ。


『は?私達が負けるって?マジで言ってんの?』


『人間の癖に……』


 人間から信頼を得たが、七不思議達は私の言葉が癪に触ったようで目に見えて不機嫌になった。


『そこのメガネ!生きて帰れると思うなよ!!』


『あのデカメガネ、へし折ってやる……!』


「知らない間に僕だけ物凄く恨まれてる!?何で!?」


『うるせぇメガネ!お前は人間じゃ無いのに人間の肩持ってるのが気にくわねぇんだよ!』


『妖怪の恥晒し!』


『どうせ人外ならこっち来てくれよぉ!そんな人間じゃなくてさ!』


 どうやら七不思議達は人間側に立つ人外の利子川が気に食わないらしい。


「(利子川さん、何か巻き込んじゃってごめんね……)」


「(大丈夫だよ、困ってる人間は放っておけないからね!そもそも悪いのは夢居さんじゃなくてあの七不思議だからさ!)」


 利子川は私の謝罪に笑顔で答え、さらに擁護までしてくれた。物凄く優しい。


『おらそこの女とメガネ!さっさとあの人間達の隣に行けぇ!七不思議デスマッチを再開すんぞコラァ!!』


「七不思議デスマッチ……あの、七不思議デスマッチって何なんですか?」


 私達はとりあえず雑音達の側に移動し、改めて七不思議デスマッチの話を尋ねた。


『ルールは簡単、お前達人間と七不思議の俺達の代表が1人ずつ戦う。先に相手を全滅させた方が勝利だ』


『因みに、負けた奴は七不思議の一つ『存在しない女教師』である私の手によって魂を没収されるのよ。勝てば元通りだけど、負けて全滅したり、途中でゲームを辞退したら、取られた魂は戻らないから注意してね』


 女性教師っぽい人の手には既に魂のような物が握られていた。


「助けるには、とにかく相手を倒すしかないって事だね……利子川さん、頑張ろうね!」


「勿論だよ!あんなのに負けたら学校の皆んなに笑われるよ!それこそ一生の恥晒しだよ!!」


「言い過ぎだよ利子川さん!!」


『言ったなメガネ!!テメェだけは絶対に粉々に潰してゴミ箱に捨ててやるからな!!』


 利子川の言葉がトドメとなったのか、七不思議は完全にキレてしまったようだ。


(でも、利子川さんがそんな風に言う相手って事は……あの七不思議達はそんなに強くないのかな……?)


『おらぁ!代表者を決めやがれ!』


「じゃあ僕から行かせてもらうよ!」


「利子川さん!」


 代表者と聞いて、利子川が真っ先に手を挙げた。


「人間には手を出させません!僕1人で全て終わらせます!」


『ほざけ!!』


『ほう、早速お前と戦えるとはな……』


 七不思議側からは人間の男性の顔に犬の身体をした奴が前に出て来た。


『改めて自己紹介しよう……俺は1番目の七不思議『校庭の人面犬』だ!』


「人面犬って……都市伝説に出て来るあの?」


『そんなのと一緒にしてもらっては困るな!さて、改めて第二回戦といこうじゃねぇか!』


 お互いの代表として出た利子川と人面犬が向かい合い、ついに七不思議デスマッチが幕を開けたのだった。

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