月夜ビト
一人の男が、ビルの屋上でタバコを吹かしながら月を眺めていた。
「月は綺麗だなぁ.....」
そう呟きながら、またタバコを吹かしながら感傷に使っていた。
すると、後ろの方からコツコツと下駄のような足音を立てながら近寄ってきた。
そして、男のすぐ後ろまでくると足音がとまった。
して、中性的な声が男の後頭部の方から聞こえてきた。
「あらまぁ....珍しいお客さんね!」
その声が聞こえ終えた瞬間、男は反射的に振り返ってしまった。
すると、そこにいたのはら狐の仮面を付けた着物姿の女の子だった。
身長は、160cmも満たなさそうな体格で、体型は標準的な体格だった。
マジマジと見つめてくる男に、女の子は優しい声で問いかけた。
「あら、そんなに珍しいかしら?」
その声に反応した男は、怒り狂いながら
「きさま!悪魔か!悪魔だなっ!」
と、叫んだ。
そして、咥えたタバコを女の子に投げとばした後、男は呪文を唱えた。
その瞬間、女の子の足元から異人たちの手が沢山現れると、女の子をぐちゃぐちゃに握りつぶした。
激痛だろうか?
悲鳴をあげる女の子の仮面を剥ぎ、口に無理矢理タバコを咥えさせた。
そのあと華麗にタバコに火をつけた。
それを見ながら男は、女の子に向かって注意した。
「お酒とタバコは、二十歳から!」
すると女の子は、泣きながら叫ぶと、ゆっくりと消えていった。
「もう成人してますからっー!」
男は、それを聞いた後、顔が真っ青になりながらビルから飛び降りたのでした。
「人間、誰でもミスはするもんさ!」