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愛しているから

作者:

思いつきで書いてみました。

文字詰めすぎで読みにくいかもです。


 私はもうすぐ死ぬ。

 そういう運命だから。

 


公爵家長女と生をうけ、何不自由なく育った。

10歳の頃、第一王子のお披露目会

「私はクラウドだ」

「お初にお目にかかります。公爵家長女クリスティーナと申します」

2人共一目で引かれあった。

婚約者となり、王妃教育が始まる。

とても厳しいものだったが、王子も同じように王子教育が始まり、2人で時には励まし、時には慰め、2人で成長していった。

 

15歳になる時、それは起こった。

100年前に封印した魔女が復活したのだ。

魔女の証が現れたのだ、私の右胸に。

そのまま城に私は幽閉された。



国を崩壊させんとした魔女、そう言い伝えられている。



100年ほど前、当時隣国が突如開戦ののろしをあげた。真っ先に国の第一王子と、魔術師団の少女が前線へとむかった。その2人は愛しあっていたが、少女の身分もあり周りが認めなかった。この戦争の結果次第ではと、国王からの申し出もあり2人は戦乱に身を投じた。少女の類いまれない魔法のセンスと、王子の剣技に我軍も鼓舞し隣国も押され出した。あと少しで戦争も終わるという頃に、王子が傷をおった。その頃には少女も軍の中では婚約者と認め、彼女の指揮下で行動するに否はなかった。「戦争が終われば結婚しよう」と王子は少女を戦場に残し国へと戻った。一月後、隣国からの敗戦宣言を無事少女が受け取った。兵逹は、戦いの女神と少女を褒め称えた。しかし城に戻ると少女を褒め称えるどころか、強大な力は畏怖の対象となっていた。しかも第一王子は、すでに別な人と婚約したと聞かされた。少女は、絶望した。そして望んだ、この世の終わりを。溢れ出した魔力は凶器とかし、城内で暴発する。周りにいた魔術師総出で押さえ込むも、人は吹き飛び柱は薙ぎ倒された。彼女の魔力が尽きるか、魔術師逹の魔力が尽きるかの勝負だった。そこに第一王子が駆けつけた。王子は知らなかったのだ、何もかも。少女が帰ってきたのも自分に婚約者があてがわれたことも。しかし全てが遅かった。少女は自我をを失い魔力に呑まれている。王子は荒れ狂う魔力の波に立ち向かい、一歩、一歩と少女に近づく。少女の元にボロボロになりながら辿り着くと、迷わず抱き締めた。そして剣を抜く。「愛している」と叫びながら少女と共に自らを貫いた。辺りは鎮まり、少女の瞳に光が戻る。「どうして?」「愛してるから、二人一緒だ」王子は、剣を二人の身体から引き抜き、血に濡れた手で少女の顔を撫でる。すると少女から白銀の光が流れ出す。光はそのまま辺りをつつみ、傷ついた者逹を癒す。もちろん王子の傷もだ。そして少女は、最後の力で自らが生み出した闇を自身の身体に封じた。「ごめんなさい。あなたは愛してるから連れていかない、生きて」と呟き少女は息をひきとった。



証からの記憶に私は涙した。

確かに彼女は闇のものを生み出した。しかし魔女と呼べるのか?

ただ純粋に愛しただけではないか。



牢に近づく足音がする。

「クリスティーナ!」

クラウド様が来てくれたのだ。

「逃げるぞ」

「いけません、このままだとこの世界が闇に呑まれます」

「しかし、クリスティーナ1人が犠牲になることはない」

そう、私は封印される。闇を浄化する方法が見つからないのだ。

「私はこの運命を受け入れました。それが私の務めです」

ウソだ、この人と共に生きたい。妻になりたい。愛しているもの。

「どうしてもか?どうしてもかなのか?クリスティーナ、私を1人にするな。愛しているのだ」

その言葉さえ聞ければいい。

「クラウド様、どうかお許し下さい」

牢越しにクラウド様に口づけをする。



衛兵が駆けつけ、クラウド様を連れていく。

私は告げた。封印の儀式を行いましょうと。


地下の祭壇に横たわる。

どうか、愛を語ってくれた声を忘れないうちに。

どうか、口唇の温もりを忘れないうちに。


白銀の光が私を包む。

さようなら私の愛した人。


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