最後に、思ったこと
かれはまだおもいださない。
私が見つけるまでには、思い出してほしいなぁ。
妹「ねぇお兄ちゃん、やっぱり…
そろそろお兄ちゃんに話してもいい頃だと思うんだよね」
兄「なん…のはなし?母さんも死んじゃったのに…」
妹「気づいてるんでしょ?」
兄「な…にが?もしかして…」
妹「ねぇ、お兄ちゃん…昔話の続きを教えてあげる…」
兄「なんで…知ってるの?」
妹「お母さんに…教えてもらったんだよ?
お兄ちゃんだって知ってるでしょ?」
兄「でも…僕は…」
妹「最後まで知らない…でしょ?
今から私が話してあげる…でも、ちゃんと最後まで聞くんだよ?
ねぇ、お兄ちゃん…」
◇◇◇
その襲撃があった日のあとに、ゼナとルーンは隣の国に追放されることになったの
レルナーンの縄張りを通る道を通って…ね…
◇◇◇
ゼナ「ルーン…これは絶対に罠だ…だから…僕と逃げよう!」
ルーン「それは…できないわ」
ルーンは悲しげに微笑んだ
ゼナ「っ!なんで…!僕と一緒なら君はきっと逃げられるのに…」
ルーン「私、あなたを巻き込めないわ…
きっと私は足手まといになってしまう…
あなた一人なら確実に逃げられるから…だから…逃げて」
ゼナ「それはできない!
ねぇルーン、もっと僕をつかってよ…」
ルーン「私ね…もう、あなたを犠牲になんてできないの…
あなたがすきだから…ごめんなさい、返事はしないで…」
ゼナ「僕も、君が好きなんだ…
だから君を守りたい、傷つけたくない!
お願いだから、僕に守られてよ…」
彼らはもうすでに愛し合ってしまったのだ…
相手を思い、傷つけないように危険から遠ざけようとする姿は…
いっそ、滑稽だった。
ルーン「いいえ、これは私の問題だわ、あなたは逃げて…?
好きと言ってくれて…とても嬉しかったわ…
でも、あなたを助けたいのは私も同じだから…」
???「しょうが無いなぁ…仕方がないから、助けてあげる…
でも代わりに、君たちはこの世界にいられなくなるよ…
それでも…この世界を変えて、ここを助けて…
君たちが両方、生き残れる世界に行きたい?」
ゼナ&ルーン「それでも、どんなことになっても…
ゼナ∨ルーンとずっと居たい!∨わ!
???「ふふ、そっか…その覚悟、認めてあげる…
だから…レルナーンを変えてくれないかな?
この世界の秩序を乱すこの組織が…
ちょっと世界の崩壊を招く可能性があるんだ…
だからレルナーンをいい組織に変えてね?
そしたら、君たちのその気持ちが認められる世界に…
魂だけだけど連れて行ってあげる…ったのんだよ…」
ルーン「さっきのは、なんだったのかしら?」
ゼナ「僕もわからないけど…
でも、レルナーンをいい組織に変えたら…
僕たちを違う世界に連れて行ってくれるって話だよね?」
ルーン「そう…ね…ええ、頑張りましょう?
私達のこの気持ちが認められる世界へ行くために…」
終わりが来る、彼らの終わりが見えた。
それはいつも、近くにあるのだ。
それは誰かがつぶやいた言葉だった。
◇◇◇
妹「…うん、ここまでにしよっか」
兄「なんで?続きは?」
妹「…お兄ちゃん…早く、思い出してね」
兄「えっ?」
妹「そろそろご飯の時間…準備してくるね」