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5話 一週間のタイムリミット 後編


タイムリミットまで残り二日




今日はミカエラとデートの予定だ。しっかりと身嗜みを整えておかないと。


よし、デートだし一応紳士スキルも使おうかな。


そういえば俺のステータスってなんか変化あるのかな。


名前 アレックス

Level 3


職業無し


HP 1800

魔力 2000


スキル

・紳士 Level 7

・ヒール 

・自爆


お!そこそこ成長してる。まさか紳士スキルとヒールを使うだけでレベルが3まで上がるとは思わなかった。


頭痛が怖くて頻繁に自分にヒール使ったのが良かったのかな。


正直この世界のレベルアップの仕組みはよく分からんな。




ーーーーファーレンの街ーーーー


とあるカフェ


「ねえこのマカロンすっごく美味しいね」


「そうだね。この世界って地球と同じようなスイーツが多いよな。本当に不思議」


「それは……」


急にソワソワし始めるミカエラ


「ん? どうしたの?」


「いやその、ね。やっぱり何年もいるとスイーツが無い耐えられないじゃん?」


「もしかしてミカエラが色んなスイーツの作り方教えたの!?」


「そうなの。前からお菓子作りは得意だったしね。あっそれとアレックスの大好きなピアノもあるよ。お城の音楽室だけだけどね」


「おー! そうなんだ。夜お城に帰ったら見せてよ」


「いいよ〜」


そんないつもと同じ楽しい会話をしながら楽しく過ごしていた。


でも、これはデートだ。何か俺がエスコートしてデートらしい事をしないと。


そうだ昨日の夜エリザさんに教えてもらったデートスポットに行こうかな。


俺はゆっくりコーヒーを飲みながら、ミカエラがスイーツを幸せそうに沢山食べる姿を笑顔で眺めるのだった。




「あーいっぱい食べた。美味しかったね! 最後の晩酌ってやつかな」


「ねえもし良かったら一緒に行きたいところあるんだけどどう?」


「行きたい行きたい! 私はアレックスについて行けばいいの?」


「おう!」


そう言って教会の近くにある噴水を目指す。


「なあミカエラ、俺はこの世界でやっていけると思うか?」


「何言ってるのよ。あなたなら何処でも対応して生きていけるでしょ」


「いやあ俺って俗にいうモブキャラじゃん? モブキャラに過去改変のミッションはキツイって」


「どこがモブキャラよ。そんな濃い顔しといてよくいうわ」


「なっ濃い顔とかいうな!」


「それにあなたアメリカではバリバリメインだったじゃない」


「それはミカエラ達がいたからだよ。あっ噴水見えてきたね」


「えっなになに? ここに何かあるの?」


「ここで銅貨を投げて願い事をすると叶うらしいんだ。有名なデートスポットらしいよ?」


「ふーんデートスポットね〜じゃあしてみましょ!」


そう言って銅貨を投げ入れるミカエラ。それに続いて俺もエリザさんから借りていた銅貨を投げる入れる。


そして目を瞑り願い事を唱える。


アレックス『ミカエラともっと一緒にいたいです』


ミカエラ『アレックスが幸せに長く生きられますように』


俺が先に目を開けた。隣でミカエラはずっと目を瞑っている。どんな願い事をしているんだろうか。凄い気になる。でも俺はその気持ちをグッと抑えた。


ふと俺は未だにミカエラは自分の事が好きなのかどうか疑問に思った。でもそれを口にしてはいけないと思い、口から出そうになった言葉を飲み込んだ。


願い事が終わったミカエラは目を開けてこっちを見て口を開いた。


「そろそろ日も傾いてきたしお城に帰ろっか! ここからだとかなり時間がかかるしね」


「そうだね。話しながら帰ろう」


そう答え、俺が歩き出そうとするとミカエラが目の前に手を出してきた。


これは、手を繋ごうって事だな。


そう分かっていても俺はワザと分からないフリをしてからかう。


「どうしたの?」


「分かってるくせに! 女の子の口から言わせるなんて紳士的じゃないよ!」


「いやいや俺より三歳も年上なのに女の子って、いたいからやめて」


「いいから早く手を握りなさいよ!」


「はいはい。分かりましたよワガママお嬢様」


そんな冗談を言い合いながら手を繋いだ。


久しぶりに握ったミカエラの手にかなりドキドキしてこっそり紳士スキルを使ったのは秘密だ。


ーーーーーーー



アレックスは何を願ったんだろう。気になるな。


でも人の願い事を聞くなんてマナー違反だよね!


我慢しないと。



久しぶりにアレックスの手握ったな。なんかドキドキする。


アレックスはまだ私の事好きなのかな…………



ああ、時間がどんどん経っていく。お城がどんどん近づいてくる。


歩けば歩くほど気分が落ち込んでくる。もうこの幸せな時間も終わりが近いと感じさせてくるから。



ーーーーーーー



「「ただいまー!」」


二人で声を揃えて叫ぶ。


「お帰りなさい。今日はご飯の時間には遅れなさそうですね」


いやエリザさんあなたは俺たちの母親か! ヤバイヤバイそうツッコミたくて仕方がない。クソ! でもできない!


「あっアレックスさんにミカエラさん。今日は帰ってくるの早いですね〜これでエリザの機嫌が悪くならなくてすみます」


そうラウラが言ってくる。


「いやあ、いつもうちのエリザが迷惑かけてすいません」


あっヤバイ! 思わずふざけてしまった。しかしそれに気づいた時には既に時遅し。


ヤバイヤバイ満面の笑みでエリザさんがこっち見てるよ。殺されるよ。怖いよ。



ーーーー夕食後ーーーー


美味しい夕食を食べ終えた俺はミカエラにピアノのある音楽室に案内してもらっている。


「はあ、エリザさんマジで怖かった」


「アレックスがいつものテンションでふざけるからでしょ?」


はいはい俺がわるーございますよ。でももうちょっとねぎらってくれてもいいんじゃないでしょうか。


あの殺気に満ちた目で睨まれる人の気持ちを考えてほしいものですね。


「ここが音楽室よ」


「なんか扉は他の部屋と変わんないね」


「まあそういうもんでしょ。さあ入るよ」


扉を開けるとその中は広い部屋に大きなグランドピアノが一つ。それ以外の楽器は何も見つからなかった。


「あれ? ここ音楽室なんじゃないの? グランドピアノ以外の楽器無いじゃん」


「残念な事にこの世界に楽器はほとんど無いんだよね。それにこの世界では音楽といえば歌を歌うのが主流だからね」


「あーそうなんだね。で、このピアノ弾いていいの??」


「もう弾きたくてたまらないみたいだね。好きに弾いていいよ」


そう言われたので遠慮なく弾かせてもらう事にする。


この感じ懐かしいな。とりあえず手慣らしに弾くか。



♫〜



「やっぱりピアノ弾くのうまいね〜」


「だろ!未だにほとんどの曲覚えてる」


そうだ、思い出の曲でも弾くか。


♫〜


「その曲って、、、」


「覚えてる?俺たちが作った曲だよ」


「うん。私に歌って欲しいの?」


「まだ覚えてるならね」


♫〜


こうしていると初めてこの曲を演奏した時を思い出すなぁ。


カリフォルニアのバーで二人で一緒に拍手を貰った時はすごい嬉しかったな。そういえばファーストキスもその時だったっけな。


ーーーーーーー


アレックスのピアノで私が歌う。そんな事をするのも物凄く久しぶりだ。


カリフォルニアのバーで二人で歌った事まだ覚えてるかなあの時のファーストキスは忘れられないな。


ーーーーーーー


♫〜


「やっぱり俺たちは最高のコンビだな。こっちの世界でも歌手としてやって行けたかもね。そう思うだろ?」


「…………………………」


ミカエラが下を向いて返事をしない。


「ん?ミカエラどうした?なんかあったの…………んん…………」


次の瞬間俺は彼女にキスをされた。俺は驚きのあまり反応する事ができなかった。



キスが終わりミカエラの顔が離れていく。そのミカエラの顔は真っ赤になっていた。


「い、いまのキスはスキルを確実に譲渡するために必要な行為だから勘違いしないでよね! 口から魔力を流すと効果が激増するからスキルの譲渡を確実にするために必要な事だから! も、もう今日は遅いし寝ようか! おやすみ!!」


そう言ってミカエラは部屋から飛び出していった。


俺は自分の唇に触れる。


今のは多分本当なのだろう。体に魔力が強く流れて来たのを感じた。でも何故このタイミングでして来たんだろう。


やっぱり今でも俺の事好きでいてくれてるんだろうな。


ミカエラ、やっぱりファーストキスの事覚えててくれたんだ。



明日が最終日か………………好きって気持ち絶対に伝えないと。


俺は一人ピアノの前で決心した。



今日も読んでいただきありがとうございます!次話の投稿は明日の18時頃を予定してます。

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