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機動性重視の拠点設営

 兵士を辞めた。

 歩行スキルがもう歩行じゃない感じだが、車輌召喚スキルで装甲車とトラックを召喚して自動運転スキルで動かせば、半径1000kmの範囲内にいる魔物を自動的に狩猟・回収して、冒険者ギルドに売って稼げる。もう給料のために働く必要がない。

 実際には街や街道の周辺のみで活動させており、森や山岳地帯など車輌では入れない場所には派遣していない。そのため、魔物の数はゼロにはならない。魔物を狩猟する冒険者や、魔物の死体を加工する業者が困るような事にはならないだろう。

 移動スキルを使えば、車輌に空を飛ばせて、地形に関係なく狩猟・回収できるが、それは控える。関連業者を困らせるのは本意ではない。


 王城を出たところで、門番に再会する。

 俺は、辞職したことを伝えた。


「だから宴会に呼んでくれるなら、いつでもよくなりました。」

「了解。

 まあ、確かに冒険者でもやったほうが儲かるだろうしな。

 これで日程調整がしやすくなったよ。」

「良かったです。

 それじゃあ、また。」

「元気でな。」







 門番と別れて、国境付近へ行く。

 しばらく待っていると、派遣しておいたトラックが戻ってきた。近くで倒した魔物の死体を運んできたのだ。遠くまで派遣した車輌は、まだ戻ってこない。


「無限収納。」


 唱える必要はないが、気分を出すために唱えてみた。独りでいると独り言が多くなるものだ。別に寂しいわけではないが、不思議なものだ。前世でも独り暮らしをしたことがある。実家に帰省したとき、やたらと独り言が出てしまって、我ながら驚いたものだ。家族にも突っ込まれた。

 戻ってきたトラックを無限収納スキルに収納して、積み荷を残してトラックだけを取り出す。トラックは周囲に整然と駐車していく。これは無限収納スキルを隠すための偽装だ。

 無限収納スキルを使わずに実際にトラックで保管して、周囲を装甲車で警戒するという手もある。だから装甲車で警戒するのは、偽装としても実施する。


「車輌召喚。」


 しかし利便性を考えると、積み荷だけは無限収納スキルに回収しておいたほうがいい。人目がある場所で取り出す必要が生じたときには、車輌召喚スキルを併用してごまかせばいい。

 トラックと魔物の死体については、とりあえずこんなところだ。

 次に拠点を設営しよう。これはとても簡単だ。キャンピングカーを召喚すればいい。出すのも片付けるのも一瞬で終わるし、テントより遙かに快適だ。


「車輌召喚。」


 せっかくなので、世界一豪華なキャンピングカーを召喚してみた。

 たしか、買うと3億円ぐらいするやつだ。でも所詮はキャンピングカーなので、基本的な機能は「ベッド」「キッチン」「トイレ」「シャワー」の4つである。ところが、さすが3億円というべきか、それぞれが非常に豪華にできている。

 まずベッド。無駄にキングサイズだ。デカい。日本で見かけるようなキャンピングカーだったら、こんなベッドを乗せたら窮屈でしょうがないだろう。しかし室内は広々としている。車体そのものが伸縮する機能があって、横や上へ延びるのだ。

 思わず苦笑いがこぼれる。


「1人で寝るには大きすぎるな。」


 次にキッチン。単に調理台が備え付けられているのではない。自宅にいるように各種家電を搭載しているほか、車内にはバーを開店できるようなラウンジがあり、車外では車体側面にバーベキューセットが内蔵されている。一切の不便を感じない。


「今日はバーベキューだな。」


 肉はある。魔物の死体だ。普通に食肉として流通しているから問題ない。無限収納スキルは、取り出すときに「肉だけ」を取り出せる。解体も血抜きも必要ない。

 しかし野菜がないのは残念だ。トンカツにはキャベツの千切り、寿司にはガリ、ハンバーガーにだってレタスやトマトが挟んである。肉だけでは、よろしくない。野菜を使わずに肉だけでカレーを作ったときには、非常に後悔したものだ。やたらと油っぽかった。

 あと調味料も必要だ。焼き肉のタレとは言わないが、せめて塩がほしい。コショウもあれば完璧だ。


「あとで買い出しに行こう。」


 次にトイレ。トイレは高級にしようと思っても限界がある。せいぜいウォシュレットぐらいだ。ベッドなら大きくすれば高級感が出るが、便器を大きくしても無意味だし、個室を広くしても無意味だ。結果、壁や天井を豪華にするしかない。大理石と思われる床材や、王城みたいに凝った装飾が施された壁などが高級感を演出している。


「……まあ、こんなものだな。」


 高級キャンピングカーで最も素晴らしいのは、水回りが充実している事だろう。シャワールームとはいいながら、バスタブがある。屋上にはプールまである始末だ。

 バスタブから湯を収納して、プールに出せば、大きな露天風呂になる。温水プールでは風呂としてはぬるすぎるから、そうしてみよう。


「屋上で露天風呂……悪くないな。」


 

 1つだけ残念なことは、大きなテレビが搭載されていることだ。40インチだろうか。この世界にはテレビ局がない。テレビがあっても何も映らないから、無用の長物だ。ゲーム機でもあればいいが、そんな物はない。

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