からすの勝手
朝から生徒会の役員たちがせわしなく仕事をしてる。
「会長、このべたべたの先週の資料どうしますか。」
「受付シールを見て、不要になったものは処分してくれ。」
「シールのないやつは?」
「後で見るから、なげてくれ。」
「書記のノートンが来たらやらせます。」
「まだ来てないのか?」
「はい、実家の札幌で法事とかで昼までにはくる予定です。」
「わかったぞ。」
僕たちが、部屋に入ると、彼は駆け寄ってきた。
「救急同好会、電気自動車同好会とヌル研のメンバーを集めてくれ。」
僕らは、関係者に事実確認を行なう必要があった。
「わかった、昼休みにあつめよう。」
昼休みに救急同好会のメンバーが生徒会室にやってきた。
「君たちだな、ヘリポートに細工をしたのは。」
会長が口火を切った。
「これは、陰陽師、安倍晴明様の五芒星だ。」
僕らは、映像を見せるとあっさりと認めた。
「学園祭の準備ために先週末に仕掛けた。」
「君らの出し物は却下したはずだが。」
棋士ハブ会長に記憶違いなどない。
「自動車の連中のコース作りを屋上で手伝うことにしたんだ。本番まで校庭は使えないから、屋上に仮設してある。連中の申請書に詳しく書いてあるはずだ。」
その肝心の申請書が見つからない。
「夜間つけておく必要もないだろう。電気代がもったいない。」
「太陽光充電だからつけっぱなしでも問題ない。」
なるほど、もっともだ。
「とりあえず、夜間は消してくれ。見ての通りカラスが集まって糞をまくものだから、他からもクレームが来ている。」
つぎに、ヌル研がやってきた。
「脱走した、ウナギは残念ながら干からびていた。カラスの餌食になったようだ。管理をしっかりしてくれ。」
会長はヌタウナギのミイラを渡した。
「キヌタ君。なんて変わり果てた姿に・・・。こんなことなら三ツ星シェフに調理してもらううんだた。」
かなり落ち込んで帰っていった。