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「あら?皆さんどうしたんですか?何かついてるかしら?」


 ディアナの言葉にいち早く我を取り戻したドリーが慌てて聞き返した。


「でぃ、ディアナさん……えっと、明後日ですよ?間に合うんですか!?」


「その場で買えないんですか?」


「え?えっと、私達平民が着るようなドレスでしたら買えますけど、ディアナさんは伯爵令嬢でいらっしゃいますよね?さすがにオーダードレスは時間がかかるかと……」


「ああ、大丈夫です。とりあえず明後日は既製のドレスを買って、今後オーダーするかどうかは考えます。

 なので貴女方が買うようなお店を教えて貰えますか?王都の地図も持ってきたので、どの辺か教えて貰えれば明日行ってきます。出来ればドリーが着てるみたいなシンプルなワンピースも欲しいんだけど……」


 そう言うと、何故かドリーだけではなく聞き耳を立てていたであろう平民の子達も集まって来て、ここがいい、こっちの方が可愛いだの色々教えてくれた。

 最後にはやっぱり心配だからと言って、ドリーとアンナ、サブリナの新入生3人が一緒に行ってくれることになった。

 ふと気付くと、その様子をバカにするようにあの感じの悪い3人組がくすくすヒソヒソしていた……


「気にしなくていいですよ、あの人達いつもあんな感じだから……じゃあ、明日は朝食後出発と言うことで」


 ドリー達にお礼を言って、トレーの返却口でキャシーの餌を受け取って部屋に戻った。

 何故かお皿に乗った生肉を受け取って振り返ると、みんなが固まっていた気がして少し気になったが、キャシーがお腹を空かせて怒っていそうだったので急いで部屋へ戻った。

 案の定“遅い!”と怒られてしまった……しかもいつもの狩りたての肉と違い、鮮度が落ちでいたようで結局機嫌は直らなかった……

 明日ドリー達に狩りが出来そうな場所を聞いてみよう。


 翌日、早朝に起きてキャシーを連れて厩舎へ行き、乗馬場でシンディを走らせる。

 その間キャシーもその辺を自由に走り回ってストレスを解消していた。シンディもやはり肉が新鮮じゃなかったとぶつぶつ言っていたが、馬丁達は丁寧にお世話してくれているらしく、珍しく誉めていた。

 隣は茶色のグンバらしく、可愛くていい子で気に入ったらしい。暫く走らせた後、少し鍛練をして部屋に戻った。急いで汗を流し、悩んだ結果制服を着ることにした。

 持って来た服は全部流行りも何もない平民男子が着るような服しかなかったので、一緒に歩くドリー達が恥ずかしいかもしれないと思ったからだ。

 朝食を食べに降りると、ディアナ以外は可愛いワンピースを着ていた。


「おはようございます。ディアナさんは制服で行くんですか?」


「おはよう。ええ、制服しかスカートを持ってなくて……もしかして制服で出るのはダメなのかしら?」


「いえ、大丈夫です。気になるようでしたら、最初に普段着を買って着替えるのはどうでしょう?」


 アンナが横から提案してくれた。うん、それがいいかもしれない。


「とりあえずドレスを買ったら急いで戻りましょう。明日までに補正をしなきゃですけど、ディアナさんは裁縫は得意ですか?」


「え?補正しなきゃなの?私……裁縫は苦手で……」


「大丈夫です、私に任せてください!」


 サブリナが天使に見えた。なんていい子達なんだ……

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