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 無事寮の部屋に到着し、少ない荷物を片付ける。それから、先に届いていた制服と教科書等を整理して、制服に袖を通してみた。

 襟や袖口にレースのついた白いブラウスに赤いリボン、グレーに白いストライプの入ったミモレ丈のフレアスカート、黒のベスト……ベストだと思うのだが、胸の部分は大きく開いていて、胸のサイド部分にしか布は無く、胸の下からウエストまでピッタリとしたデザインだった。

 恐ろしく胸が強調されるデザインなんだが、これが本当に制服なんだろうか……考えたやつ誰だ?とディアナが着用説明書を見ると、デザイナーはなんと王妃(聖女)様だった……

 気を取り直してスカートと共布のパフスリーブのボレロを羽織る……胸は何となく隠れたのかな?短いのはウエストを強調するためなのか?とりあえず……これは恥ずかしいけど説明書の絵の通りなので正解なんだろう。

 最後に黒いタイツをはいて、ヒールの高い焦茶の編み上げブーツ又は黒いリボンのついたパンプスを履いたら完成だ。

 ディアナは迷わずブーツを履いたが、思ったより気候が違うようで少し暑かったので、真冬以外はパンプスを履いた方がいいかもしれない。


 気付けば夕食の時間だったので、そのまま食堂に降りる事にした。寮では服装は自由なので、制服の人もいればワンピースの人もいた。

 見渡すと、派手な集団がいて自然と目が行ってしまった。よく見ると2人は品のいいドレスワンピースで、3人が派手なドレスワンピースのようだ。

 2人のところに無理矢理3人がくっついて行っている様にも見える……とりあえず3人は新入生を品定めしてはくすくす笑って見下しているようで、あまり関わりたくない人種のようだ。

 そんな3人を時々冷やかな目で見ながら、2人は自分達の世界に入っているようだった。

 よくわからないけど、こちらもあまり近付きたくない気がする。

 食事のトレーを受け取り、ざっと見渡して空いている席を探すと、眼鏡の地味なワンピースを着た新入生らしい女の子がいたので隣に座ることにした。


「ここ、空いてますか?」


「え?あ、はい、どうぞ。あ、あの、でも貴族の方は皆さん中央の方に座られてるみたいですよ?」


「そうなんですね。私は新入生のディアナ=アトウッドです。貴女も新入生ですか?」


「は、はい。ドリーです!見ての通り平民です!」


「まぁ、では凄く優秀なのね。これからよろしくお願いします。そうそうドリーは王都に詳しいかしら?」


「えっと、平民街でしたら王都で生まれ育ったので詳しいかと思います……」


「よかった~、実は私こっちで買おうと思って服もドレスも何も用意して無いのよ。とりあえず明日、入学パーティー用のドレスを買いに行きたいんだけど、おすすめのお店を教えてもらえないかしら?」


「え……?」


 ピシリッ!

 ドリーはもちろん、近くで聞き耳を立てていたであろう少女達がみんな固まり、目を見開いてディアナを見ていた。

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