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部屋に戻り、キャシーをもふもふしていると、ブライアンを通して父親から連絡が来た。
「ディアナ元気にしているか?昨日の事、王妃様から聞いたよ!大変だったな!ヤッホーベアーの赤ん坊を盗むとは、とんだ命知らずだな。
そうそう、実はディアナに重大発表があるんだ!
なんと……ラッキーラビットもハッピーウルフもホーリーホークもヤッホーベアーもバンザイホースも……みんな魔獣だったんだ!」
「ええ!?魔獣!?こんなに大人しくて賢くて可愛いのにですか?」
「そうなんだよ……実は少し前に王都から魔獣研究家が来てな、動物達が見たいと言うから見せたらみんな魔獣図鑑に載っている動物だったんだ!」
「まさかそんな……!」
「最初は驚いたがな~、まぁだからと言って今後何が変わるわけでもないしな……とりあえず魔獣だったと言うことだけは伝えとこうかと思ってな。
それはそうと、お前第2王子を捕まえたと言うのは本当か?王妃様から息子をよろしくと言われたぞ?」
「捕まえたと言うか……まぁそうなるのかな?」
「やっぱり本当なのか……はぁ、まあ魔獣研究家も王子はいいやつだと言ってるしな……
魔獣研究家といえば、こいつがまた変わってて面白いやつなんだがな、マーガレットが恋したようで追いかけ回していて、中々の見物だぞ。くっく」
「まあ、マーガレットが?それで、どうなの?」
「どうもこうもな~、相手は20歳年上なんだ。ジンも自分とそう変わらない男を追いかけ回している娘を見て、色々複雑そうだよ。
ま、アトウッド領が気に入ったから永住するって言ってるし、つかまるのも時間の問題だろう。くっく」
「そうなんですね、帰るのが楽しみですわ!」
「ああ、お前がいなくて母上が寂しがっている。あと1年半か……頑張ってこいよ」
「はい、ありがとうございます!おばあ様には、きっとすぐに懐かしい人から便りが来ますわ。ふふ、少しは元気が出ると思いますよ!」
「それは楽しみだな。じゃあ、体に気を付けてな、おやすみ」
「おやすみなさい」
少しだけホームシックになってしまった様で、寂しさが込み上げてきた。だが、明日からはお城でお世話になる予定だ。きっとウィルやユリア様や王妃様と一緒だと寂しさなんてすぐに吹っ飛ぶだろう。
「そう言えばキャシー……あなた魔獣だったのね」
『 ばれたか……てへ☆』
ー完ー
ある秋の日の文化祭
「あれ?アンソニー様の絵……私じゃなくてユリア様とジークフリード様だね……」
「でぃ、ディアナこれ!」
「ひー!何処から見てたの!?こんな絵……破廉恥だわー!」
そこには、咲き誇る薔薇の中で月をバックにして口付けを交わす、ウィルとディアナの絵がでかでかと飾られていたのだった。
「いや~、たまたま庭園を散歩していたらいいもの見させてもらったよ!この2組のカップル……インスピレーションが刺激されまくって最高過ぎる!尊すぎるー!
これからもいいシーンをよろしく頼むよ!」