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 波乱のオリエンテーリングから一夜明け、学園では終業式が行われていた。そこに微弱聖女と実行犯だった取り巻きの姿がないのはもちろん、ルーカスの姿も無かった。

 少しでも早く国に帰るため、準備に忙しいのだとか。学園の空気はそわそわ落ち着きのないものだったが、明日からの夏休みが明ける頃には落ち着くだろう。

 貼り出されたテストの結果は、やはりディアナが満点1位だった。だが、なんと2点差で2位にウィルの名前があった。


「くそっ!あんな凡ミスが無ければ……」


「うそ……あんなに勉強したのに……」


 次いで3位のドリーとは16点差があった。もちろん、ハーレムに取り巻きになっていた貴族のテスト結果がいい訳もなく、残りの20位以内は全員平民生徒だった。


「もう自分達の力では打倒ディアナ孃は無理じゃないか?」


「確かに……それに一緒に勉強していた殿下の成績の上がり方が凄まじいぞ……」


「ここは……やはりあれしかないか?」


「そうね……もう、あれしか方法はないわね……じゃあ……行くわよ?ディアナ……」


「「「「「「勉強を教えてください!」」」」」」


 そう言って、打倒ディアナと言っていた平民生徒全員に頭を下げられた。


「うええ!?な、何この状況?勉強会をしたいってこと?もちろん、みんなで頑張りましょう!」


「「「「「「やった~!」」」」」」


「俺と2人の勉強会は、もちろん続けるんだよな?」


「も、もちろんだよ!平民組との勉強会は、平日の放課後図書室でしましょう!」


 盛り上がった平民組は、今度は打倒ディアナではなく女神ディアナ等と言って騒いでいる……恥ずかしすぎる……


「ふふ、凄い人気ね?」


「まぁ、確かに一緒に勉強するようになって我々も成績が上がりましたしね」


 いつの間にか隣に来たジークフリードとユリアの視線の先には2学年のテスト結果が貼り出されていた。ジークフリードはなんと今回1位だった。


「まさか年下に勉強を教わるとは……」


「仕方無いわよ、それにディアナさんの教え方ってとっても上手で分かりやすいのよね」


 そうなのだ、実は2学年の教科書も既に領地で祖母に習った事ばかりだったのだ。情報が入ってこない分、どこまで学習するべきかわからず、気付けば学園での授業内容を全て飛び越えていたようだ。


 そして知らなかったのだが、祖母は嫁入り前は社交界1の淑女と名高い伯爵令嬢だったそうだ。

 ヤッホーベアー事件で会った宰相さんが教えてくれた。結婚前は家庭教師をしていたようで、宰相さんは教え子だったらしい……過去を思い出して一瞬震えたのは、きっと気のせいじゃないだろう……


 ふとディアナは宰相と目があった……二人の間に、確実に同士の絆が生まれた瞬間だった。


「そうですか……先生はお元気ですか……」


「はい、よかったら手紙でも書いていただけると喜ぶと思います」


「そ、そうですな……昔のように添削して送り返されないことを祈りましょう」

次の0時の更新は、ジークフリードとユリアの視点になります。主人公以外の視点がお好きで無い方はお気をつけください。

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