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捕捉 穴だらけの計画

 今代の聖女の頼みで、アトウッド領へ魔獣を探しに行くことにした。騎士志望の者だけで行けば最短時間で往復出来るはずだ。

 あのウサギと馬は使えないから、他にちょうどいい魔獣が運良く現れてくれればいいが……と思っていたら、でかい熊の群れと遭遇した!


 見かけによらず穏やかな性格なのか、攻撃する意思はないようだ。試しに睡眠薬を仕込んだ生肉を放り投げたら、何の疑いもなく食いやがった!バカな獣だ!

 だが、大人の熊はでかすぎて危険だと判断し、ちょうど良くそこにいた子供を拐うことにした。

 子供と言ってもサイズも大人の女性くらいあって、黒い毛で赤い目なので立派な魔獣に見える。

 これがオリエンテーリングに現れたら、さぞ大騒ぎになるだろうな。これを聖女の力で浄化して、みんなに力を知らしめるらしい。

 確かにどう言うわけか聖女を嘲笑っている奴等がいるからな!ここらで一発力を見せつけるとは、さすがだぜ!


 荷馬車に積んだ檻に子供を入れ、万が一にも母親が追いかけてこれないよう臭いを誤魔化すために香を炊きながら出発した。

 念のため、親を錯乱させるために別方向に臭いを残す事にして、子供の毛を持った1人がおとりとして別方向に進むことにした。

 適当なところで毛を捨て、おとり役も川か何かで臭いを消し、王都へ戻り合流する予定だった。

 子供運搬組は無事学園に到着して、それぞれ聖女と2人きりでご褒美を貰った。くっくっく

 おとり役もオリエンテーリング当日には帰るだろう。


 オリエンテーリングで俺は子熊を放す役割だった。そろそろいいかと言うタイミングで、大人の熊の群れが子熊を隠した小屋へ押し掛けてきた。

 何故かアトウッド伯爵令嬢とウィリアム殿下、アランが熊に乗って来た……本能的にここにいたら殺されると悟り、全力で逃げ出そうとしたが腰が抜けて動けない……そうこうしているうちに1頭の熊が……そこで俺は意識と腕を1本失った……


 俺達は王族暗殺未遂で爵位剥奪の上、強制労働をさせられることになった……みんなそれぞれ酷い怪我だ……どうしてこうなったんだろうな……

 すぐに聖女が浄化する予定で、誰も怪我する予定じゃなかったんだ……それが暗殺未遂になるのか?

 そう言えばおとり役は何処に行ったんだ?え?適当なところで川で臭いを落としたつもりが、子供を探すために息をひそめた熊の群れに追いかけられていた?

 オリエンテーリングの森近くで子供の臭いがぷんぷんする俺達を見つけてお役ごめんになり……?え……?

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