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 微弱聖女の自白はこうだった。


「私がこの世界のヒロインなのに、攻略対象のウィルもジークもアランもアンソニーもなんで話しかけてこないのよ!

 仕方無いからこっちから話し掛けてあげたのに嫌そうな顔して逃げるし、怒鳴るし!

 ルーカスは私だけじゃなく誰でもすぐ口説く女好きだし!もう、何なのよ!

 だから手っ取り早くウィルとジークと仲良くしてる女を魔獣に襲わせて、顔でもどこでもいいから傷を付けさせてから私の聖女の力で魔獣を倒せば、傷のある女なんて見捨てて私の所に来ると思ったのに!」


「いや、むしろ傷の1つくらいある方が気兼ね無く隣にいることが出来るのですが……でもユリアの綺麗な肌に傷がつくのは許せませんね……」


「ディアナは規格外だからな~、まさか魔獣を落ち着かせるとは思わなかったが、1匹くらいなら軽く倒せるだろうと思ってそう心配でもなかったかな……

 とりあえずこれだけははっきり言えるぞ。もし傷がつこうがどうしようが、俺がお前に惚れることは……」


「「絶対にあり得ない」」


「何でよ!きー!」


 その後は暴れて話しにならなかった。上層部では極刑をと決まりかけたが、王妃の


「微弱とは言え聖女の力が使えるんだから殺すのはちょっと……国外追放で罪人としてルーカス殿下に国に連れて帰って貰うのはどうかしら?」


 と言う鶴の一声で国外追放が決定した。

 ルーカス殿下はいい土産が出来たと大喜びで、すぐに準備して帰ることにしたらしい。

 罪人なのでどんな扱いをしてもランドル王国の干渉が入らず、聖女の力が使えないユリアを連れて帰るよりも断然利があるのだ。

 今後は王族の子供をたくさん生ませるために、国王なのか4人いる王子の誰かなのか、王弟なのか、それとも全員かもしれない夜の相手を強制的にする事になるのだろう……

 まぁ、ルーカス殿下をはじめ美形揃いらしいので、念願のハーレムでよかったのではないだろうか?


 最後に王妃様が餞別にと


「あのね、ここをゲームの世界だと勘違いしたからダメだったのよ?ここは現実なの、みんな生きてるの。だから貴女もこれから現実をしっかり生きなさいね?」


 と言葉をかけていた。

 微弱聖女がどう感じたかはわからないが、今後の事を思うと現実に戻すのではなく、夢の世界を生きていた方が楽だった様にも思うのだが……

 事件に加担した取り巻き達は、それぞれ顔や腕、足などに傷を負い、王族殺害未遂で貴族籍の剥奪、僻地にて強制労働と言う重い罪を背負うこととなった。

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