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「今日は色々すまなかった……母は無駄に行動力があって……明日はディアナがよければ午前中勉強会をして、昼食を2人で食べたらすぐに帰ろう」


「ふふ、確かに凄まじいお母様ね。色々疲れたけど、ウィルと勉強して手合わせして……ダンスを踊って、とっても楽しい1日だったわ。

 ユリア様ともお話し出来てよかったわ……今日はありがとう」


 そう言うと同時におもいっきり抱きしめられた。ダンスよりさらに密着して、ディアナの心臓は今までないほど跳ね上がった。


「こっちこそ……ありがとう。くそっ!全然余裕無くてかっこわりーな俺……

 ディアナ、俺の事も見てくれないか?ジークフリード殿だけじゃなく、俺もお前の婿候補に入れて欲しいんだ……

 王子だからでシャットアウトせずに、俺自身を見てくれないか?俺はディアナといると楽しいんだ……

 こんな気持ち、初めてで……お前が他の男と楽しそうにしてるのを見て、なんであれが俺じゃないんだと悔しくて苦しくて仕方無かった……」


「え?あ?わっ!えっと、ありがとう?私もウィルといると楽しいけど……」


「じゃあ「いや、でもやっぱり王子は王子だし……」」


「王子っつっても兄上も結婚したし、妃殿下も妊娠したからもうあんま関係無いぞ?俺はどこかの貴族に婿入りするか、新しく爵位を貰って臣下に下るかのどっちかだ。

 だからアトウッド伯爵家に婿入りするのも何の問題も無いんだよ!それに王都からずいぶん離れているだろう?

 噂も何も聞こえない土地で、一緒にのんびり生きていこうぜ……ダメか?」


「えっと……ど、どうかな?こんな大切なこと、すぐに決められないと言うかなんと言うか……」


「ぷっ、すっげーあせってるし。大丈夫だ、今すぐ返事が欲しい訳じゃない。まだまだ学園生活は始まったばっかだ。これからゆっくり考えてくれればいいから……

 その代わり、気持ちは伝えた以上、今後ガツガツ行かせて貰うからな!」


 そう言ってさらに抱き締める力が強まり、耳にかかる吐息に、首まで真っ赤になってしまったディアナであった……

 どのくらいそうしていたのか「はあ……離したくねーな」と言いつつもウィルは渋々抱き締める力を緩めた。

 その後はどうやって部屋まで行ったか覚えていないが、いつの間にか客間でメイドさん達にドレスを脱がせて貰っていた。

 そして軽く湯あみをして、恐ろしくふかふかなベッドへと潜り込んだ。


 “どうしよう……胸がばくばくする!あんなこと急に言われても……でもウィルの心臓も凄くドキドキしてた……耳も真っ赤だったし……

 どうしよう……でもそうね、ウィルの言う通り時間はたっぷりあるし、ジークフリード様への気持ちも、ウィルへの気持ちも、ゆっくり考えよう……”


 そう思いつつも、やはり悶々と考えてしまい、眠れぬ夜を過ごしたのだった……

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