表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/52

29

 おそらく食事は美味しかったんだと思う。だが終始王妃様があの調子で、とてもじゃないが食べた気がしなかった。


「すまない、母はいつもあの調子で……さすがに晩餐会や夜会では大人しくしているのだが、身内だけだとどうしてもな……

 それにしても、ディアナ嬢は恐ろしく母に気に入られたようだな」


「そうなんですか?……何がそんなに気に入ったのでしょうね……ちょっと、休憩してもいいですか?」


 勉強した部屋に戻り、ついついソファでぐったりしてしまった。ウィリアムも疲れたのか隣に腰掛けた。


「なんて言うか……ディアナ嬢は母の好みのど真ん中なんだよな……美しく聡明で、完璧な淑女なのに男装をして強いと言う……まるで物語の主人公だろう?

 ちなみにあの紺色集団の様な女性が1番嫌いらしい」


「それいったい誰の事ですか?美化され過ぎてて怖いです」


「そうでもないと思うけどな……くっく」


 はあ……もう疲れた……帰りたいよ~


「ディアナ嬢……今さらだがディアナと呼んでいいか?俺の事はウィルと呼んでくれ」


「え?ウィルですか?……そんな事したら私、殺されてしまいますし……」


「ではこうして2人だけの時ならいいだろう?毎週勉強会で会うんだ、いつまでもウィリアム殿下じゃちょっと寂しいしな。敬語もお互い止めよう」


 確かに……まぁ2人の時だけならいいのかな?


「わかりま……わかったわ、ウィル。さあ、そろそろ落ち着いたから手合わせに行きましょう」


「あ、敬語」


「い、行こう?も~、いきなりだと難しい」


「あっはっは、ごめんごめん、さあ行こうか」


 そう言って手を差し出され、訓練場までまたエスコートされ連れて行って貰った。訓練場では騎士達が訓練していたが、話を通していたらしく、端の方を使わせて貰うことになった。

 各々準備運動をして、騎士の1人が審判をしてくれることになった。

 結果は……やはりきちんとした剣の訓練を受けているウィルに1度も勝てなかった。力でも押し負けてしまい、ディアナは悔しくて仕方が無かった。

 次は弓の勝負だ!と、無理矢理得意の弓の勝負を吹っ掛け、無事勝つことが出来た。

 今度はウィルが物凄く悔しがり、それが面白くて2人で大笑いして、その日の勝負は終了となった。

 騎士達にまた来てくださいと見送られ、訓練場を後にした。


「あ~、それにしてもあんなに弓が上手いとはな!剣だけでも勝ててよかったよ」


「本当、悔しい!来週から騎士部に入って剣を習おうかしら……」


「いや、まじこれ以上強くならなくていいから!剣まで負けたら立ち直れねーし。

 それより今度、約束してた狩りに行こうぜ!」


「あ、それいいね!ちっとも狩りに行ってないから腕が鈍っちゃって……シンディもキャシーも美味しいお肉が食べたいってうるさいのよね。ふふふ」


「はは、馬やウサギの言葉までわかんのかよ?」


「ええ、契約してるからわかるわよ?」


「……え?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ