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 ウィリアム殿下にエスコートされて馬車を降り、客間へと案内された。制服が目立つのか、すれ違う人みんなに見られた気がする……


「ディアナ嬢、部屋に着いたぞ。そっちにかけてくれ。さっそくなんだが、先日のテストでこの問題を間違えてしまったのだが、何が違ったんだろうか?」


「ああ、これはですね……」


 誰かと一緒に勉強すると言うのは、思いの外楽しかった。ドリー達は打倒ディアナと言って、一緒に勉強してくれないのだ。

 こうやって、ほぼディアナがウィリアムに教えるかたちで勉強会は終了した。

 もうじき昼なので恐れ多くも城で昼食をご馳走になり、手合わせは昼からと言うことになった。

 その前に制服ではさすがに剣は振れないと言うことで、ウィリアムのお下がりを貰うことになった。

 借りるだけのつもりだったが、どうせもう着ないし、これから毎週の事だからと押しきられてしまったのだ。

 でも、来週からはこの服で来ていいと言われたので、ディアナは嬉しかった。やはりズボンは落ち着く。

 昼食の前に着替えて、ウィリアムの待つ部屋に戻ると、ばつが悪そうな表情で待っていた。


「どうかしたのですか?」


「その……すまない!俺が女の子を連れて来たって母上の耳に入ったらしくて……昼食を共にと言われてしまったんだ」


「え?え?えええええ!?そ、それはちょっといきなりハードルが高すぎますー!しかもこんな服装で……無理!絶対無理ですよ!」


「大丈夫だ、うちの母は異世界から来ただけあって、細かいことは気にしない質なんだ……それに学園の食堂で見る限り、ディアナ嬢のマナーは完璧だし大丈夫だ!」


 どんなに嫌がったところで王妃様の誘いを断れるはずもなく、ウィリアムにエスコートされて食事室へと向かうことになった……

 重ねた手をぎゅうっと握りしめられ、ウィリアムを見れば「俺がついているから大丈夫だ」と微笑まれた。

 その笑顔に少しだけ気持ちが和らいだのもつかの間、食事室へ入ると王妃様だけでは無く、陛下に王太子夫妻、王女様まで勢揃いで、意識が遠退きそうになってしまった。


「まあ、まあまあまあまあ!男装の麗人なのね!美しいわ!きゃー、お肌もつるつるで可愛い!おっぱいも大きくて腰もこんなにくびれて……ドレス姿も見てみたいわ!昼食後は私と一緒に「母上!落ち着いてください!ディアナが怯えております!それに昼食後は私と一緒に手合わせをする約束なのです!」」


「そうなのね……残念だわ。ぜひ今度は私と一緒に「お母様、料理が冷めてしまいますわ。さあ、ウィリアムもディアナ様も早く席にお掛けになって」……もう、ユリアまで……うう、お母さん悲しいわ」


「はいはい、もうわかったからそろそろ食事にしよう」


 何だか王妃様は凄まじいキャラのようだ。そう言えばあの制服をデザインしたり、外国語のあやしい恋愛小説を入荷したりしている人物だった……ああ、帰りたい……

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