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「「「ええええ~!?」」」
「ちょ、ちょっとディアナ、いつの間にそんな事になったのよ!?」
「あ~、なんか昨日テストの結果が貼り出されたじゃない?その時打倒ディアナ、打倒ウィリアムってあなた達平民組が盛り上がっていたでしょう?それで私達も負けないように勉強会をしようって事になったのよ。
他の方も誘いませんか?って聞いたんだけど、20位以内じゃないといても邪魔なだけだと……それを聞いて貴族女子達が燃えてたから、次のテストは凄いことになると思うわよ」
「よし、私達も明日は勉強するわよ!絶対負けないんだから!」
「え?あの明日の服は~?」
止める間も無く3人は会場から出て行ってしまった……おそらく今から勉強するのだろう。
さて困った……本気で何を着ればいいんだろう?と言っても、パーティー用のドレスと、普段着用のワンピースしか持っていないのだが……
さすがに城に行くのにワンピースはダメかな?そうするとドレス?でも勉強しに行くのだからドレスも微妙なような……あ、そうか!勉強しに行くんだから制服でいいじゃないか!そうだ、そうしよう!
お城ってどんな所だろうな~?緊張するけどちょっと楽しみ。
翌日は晴れ渡るような青空だった。時間は聞いていなかったが、とりあえず朝食後門の外に出てみることにした。
門を出ると、身なりのいい従者が待っていて、ディアナを馬車まで案内してくれた。
馬車の中にはウィリアムが乗っていて、どうやら一緒に行くようだ。
「ディアナ嬢、おはよう。休日なのに制服なんだな」
「おはようございます。悩んだんですけど、お城に着ていけるような服を持っていませんでしたので……さすがに普段着用のワンピースじゃダメでしょう?」
「どうなんだろうな……女性の友人を招くのは初めてなので、よくわから無いが……そう言えば兄の婚約者はドレスを着て来ていた気がする」
「やっぱり。ワンピースにしなくてよかった~。貴族の女子とはまだ誰も仲良くなっていないので、お城に行くなんて相談出来る相手がいなくて……みんな殿下狙いでしょう?相談なんてとてもじゃないけど怖くて……」
「あいつ等は俺狙いなんじゃなくて、王子狙いなだけだ。だいたいあいつ等どこから声出してんだってくらい高い声で話すから、側にいると頭が痛くなるんだよな……
そう言えば昨日はジークフリード殿と仲睦まじく踊っていたな。俺との2曲目は断ったくせに……」
「本当だったら1曲目も断りたかったんですよ?あの紺色集団の目を見ましたか?私、無用な争いに巻き込まれるのはごめんですから。
昨日も言いましたけど、本当みんなの前で声をかけないで下さいね?絶対ですよ?」
「ああわかった……では、こうして勉強会をすることは2人だけの秘密と言うことで……
これから毎週迎えを寄越すから、よろしくな」
あれ?毎週?そんな約束だったっけ?と質問する前に城に到着してしまった。




