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「今日は踊っていただきありがとうございました。まるで羽が生えた様に体が軽く感じて、今までで1番踊りやすかったです!ジークフリード様はダンスがお上手なんですね!」
「まぁ……一応侯爵家の息子ですからね。幼い頃より叩き込まれました」
「私もです。領にいる時は、何の役に立つんだろうと疑問でしたが、おかげでジークフリード様と素敵に踊ることが出来てよかったです!
また次のパーティーでも踊って下さいね」
「それはどうでしょう……ディアナ嬢と踊りたい男子生徒は大勢いますからね……」
「またまた~、私悲しくなるくらいモテないのちゃんとわかってますから、そんなフォロー要らないですよ?ふふふ」
“えええ!?恐れ多くて声をかけられなかっただけなのに、モテないと勘違いしてたのか……もしかしたらチャンスなのか?
くっ!ダンスに誘いたいのにオーラが凄くて近付けねー!何でなんだ!”
等とまわりの男子が思っているとは露知らず、ディアナはジークフリードのエスコートでドリー達の所へ戻った。
ジークフリードが去った瞬間、待ち構えていたドリー達が興奮気味に話しだした。
「私、脈が無いと勘違いしてたわ。ジークフリード様とディアナが2人でいるのを初めて見たけど、とって素敵だったわ」
「ええ、ダンス等、物語の1ページの様で……」
「ジークフリード様もだけど、ウィリアム殿下もアラン様も、絶対ディアナ狙いよね?」
「確かに!2人ともディアナ以外の女子とは踊らなかったわ」
「え?そうなの?ウィリアム殿下のまわりにたくさんいた紺色集団は?」
「ディアナとジークフリード様が踊っている姿を見ている時の、ウィリアム殿下の殺気が凄過ぎて近付けなかったみたいよ?」
「アラン様もすごい殺気だったわ!ジークフリード様、大丈夫かしら?」
「あら~、ジークフリード様よ?大丈夫に決まってるじゃない。ふふふ」
「え?殺気?何かしちゃったのかしら?2人とも2曲目断ったから?
ああ、それより明日の休日なんだけど、勉強会をするためにお城に行かなきゃいけなくなったの!何を着たらいいのかしら?」