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 いよいよダンスパーティー当日、ディアナは心臓が飛び出るんじゃないかと言うほど緊張していた。

 久しぶりにジークフリードに会える嬉しさもあるが、ダンスに誘って断られずに踊れるか不安で仕方なかった。

 空色のドレスに身を包んだディアナは、紺色のドレスが多い中、とても目立って美しかった。


「今回は紺色のドレスが多いのね……ウィリアム殿下の髪の色ですものね。これだけ多くの女子が紺色をまとうなんて……おモテになるのね~、羨ましいわ」


「そうね……おそらくそれもあると思うけれど……あの紺色のドレスの半分は、次のパーティーで空色のドレスだと思うわよ?ふふふ」


「「確かに」」


 ん?何でだろう?次は夏休み前の暑い季節だから、爽やかな色が選ばれるのかな?


「ディアナ嬢、よろしかったら踊っていただけませんか?」


 振り返るとウィリアムがいた。その後ろに紺色の軍団も……殺気が凄いが、ここで断ってウィリアムの顔に泥を塗るわけにもいかないので、ディアナは覚悟を決めて手を取った。

 ホールの中央へ向かう間、色々な視線を感じたが、恐ろしいので見えないふりをして進んだ。


「私……階段から落とされたりしませんよね……」


「ぷっ、何だそれは?まぁ確かに殺気が凄かったが、ディアナ嬢に喧嘩を売るような命知らずはいないんじゃないか?」


「え?ちょっとそれどういう意味ですか?」


「いやいや、俺の剣をあっさり受け止められるほどの運動神経の持ち主だ。階段から落とされても、全然平気だろう?」


「……確かに!物理的攻撃なら全く問題ありませんね!あ~あ、怖がって損した気分です。ふふふ

 でも、不要な誤解を与えたくありませんので、あまり話しかけないでくださいね」


「ええ!友人だろう?それに一緒に勉強するって約束したしな~。女子共の目が気になるんなら、休日に城に来るか?城での勉強会なら問題無いだろう?

 勉強だけじゃなく、1度本気で手合わせしたかったんでちょうど良いしな」


 え?お城……?それはちょっとどうだろう……ああ、でも手合わせは素敵な提案だ。実は王都に来てから誰とも手合わせをしていなかったので、ちょっと鈍ってきた気がするのだ。

 だからと言って、女1人でアランの所属する騎士部の訓練に参加するのもどうかなと思っていたところだった。

 城に行くのは気が引けるが、別に国王に謁見するわけでも無いし……と心が揺れていた。


「じゃぁ、明日城での勉強会決定な。学園の門の外まで迎えを寄越すから安心しろ。お、曲が終わったようだ。もう1曲踊るか?」


「な、踊るわけ無いじゃないですか!」


 慌てて離れると苦笑いされてしまった。さすがにちょっと失礼だったかな?エスコートされてダンスの輪から離れると、紺色集団があっという間にウィリアムを囲んで、ディアナは弾き出されてしまった。

 まぁ、これ以上一緒にいる気も無かったので、これ幸いとジークフリードを探すことにした。

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