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「さっきのドレス、素敵だったわね……まるでジークフリード様の髪の色みたいで綺麗だったわ」
「え?そう?私はアラン様の瞳の色みたいな綺麗な水色だと思ったわ」
「あら?私は裾の方の濃いブルーが、ウィリアム殿下の髪の色みたいだと思ったわ」
「それを言うなら裾の方が私の瞳の色みたいだと思わない?」
「「「それは無いかな」」」
な……!みんな揃って否定するなんて……解せぬ!
確かに、はからずも最近仲良くなった男子達の色がそれぞれ入っているなんて、不思議なこともあるものだ。
その後はスイーツに話題が移り、大満足で次の店へと向かった。小物屋さんにアクセサリーショップ、文具屋さんにも行った。
最後に観光地として有名な教会に行くと、ステンドグラスがとても綺麗で、何とも言えない不思議な雰囲気だった。
並んで女神様にお祈りすることになり、ディアナはジークフリードの心の傷が、少しでも和らぐように祈った。
パーティーを翌々日に控えた雨の日、学園では中間試験が行われていた。この日のために、ドリー達は打倒ディアナと頑張っていたが、結果はやはりディアナが満点1位だった。
次いで20点差で2位がドリー、3位がサブリナ、4位がアンナ、なんと5位がウィリアムだった!
この結果を平民生徒達は大変悔しがり、打倒ディアナ!打倒ウィリアム!と全員で結託して燃えてしまった。
次の学期末試験では絶対勝つぞ!おー!と、貼り紙の前でおおいに盛り上がっていた。
「くっそ!今回はかなり勉強したんだが、まさかの5位とは……ディアナ嬢だけでなくまだ3人も上に……」
いつの間にかウィリアムが隣に来て悔しがっていた。ちょっと平民組の結託が羨ましかったディアナは
「私達も平民組に負けないように勉強会をしませんか?」
と思わず言ってしまった。ひい!な、何だか殺気が……結果、まわりにいた多くの女子生徒の殺気を向けられることとなってしまい、すぐに後悔した。
「お、いいな!打倒平民で頑張ろうぜ!つっても、ディアナ嬢は満点だからな……俺が教えてもらうだけになりそうだな。情けない……」
「あ、あの、他の人達もお誘いしませんか?」
「却下だ。勉強もせずにちゃらちゃら邪魔ばかりしてくるような奴等はいない方がましだ。せめて20位以内に入らないと一緒には勉強出来ないな」
「そ、そうですか……」
20位以内……まわりの女子生徒達は一気に燃え上がった!期末試験で20位以内に入れば、夏休み中ウィリアムと一緒に勉強会が出来ると解釈したようだ。
ああ、自分の失言のせいとは言え、何ともめんどくさい事になってしまったな……とディアナはぐったりした気分になった。
2学年の方は、ジークフリードが安定の3位だった。明日はいよいよダンスパーティーだ。ジークフリードはちゃんと踊ってくれるだろうか……