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「確かに理想高過ぎね。ペットと仲良くはまぁ結婚するなら外せない条件よね?あとは優秀か強いかどっちかは妥協するとして、嫡男以外よね……貴族の婚活って大変なのね……」
「う~ん、領地経営しなきゃだから優秀じゃなきゃいけないし、うちの領ってみんな強いのよね~。まぁその辺は鍛えればいいから、優秀な人を探そうかな」
「なるほどね、じゃぁ今度のテスト結果を見て優秀な貴族の男子を調べることにしたらどうかしら?」
「「「い~ね~」」」
と言う事で翌日行われる実力テストの結果を見てから探すことに決定した。
翌日のテストは驚くほど簡単なものだった。貴族と平民で問題が違うのかと思えばそう言う事も無く、とりあえずの実力テストだからこんなものなのかな?と拍子抜けしてしまった。
その次の日からの授業でも、テスト同様簡単なことばかりで、その時初めて教科書を最後まで確認してディアナは驚いた!
何故なら領地で家庭教師ならぬ祖母に勉強を教えてもらっていたのだが、とっくの昔に習った内容ばかりだったのだ。
さらに翌日テストの結果が張り出され、案の定ディアナは満点1位だった。
それよりも驚いたのが、2位以下が50点以上差があったと言うことだった……
「ええ?ディアナ全教科満点だったの!?難しくなかった?」
「え?う~ん……正直領地で習ったことばかりだったし、逆に簡単過ぎてビックリしたと言うか何と言うか……」
“ええ!?簡単過ぎただと?魔獣姫……まじで何者なんだ……”
「そうなんだ……優秀な家庭教師がいたのね。羨ましいわ……」
「家庭教師じゃなくておばあ様に教えてもらったの。うちのおばあ様……ビックリするくらい怖いのよ。勉強だけじゃなくて、礼儀作法も全ておばあ様に習ったの。
ほら、うちのお母様は平民でしょう?だから何処に出しても恥ずかしくないようなレディに育てるんだって言って、それはもう日々勉強勉強で……ふ、ふふふ」
その日々を思い出し、思わず引きつった笑いが出てしまった。さて、そんなことよりも……う~ん、貴族はみんな平民のはるか下にしかいなかった。空振りだったようだ。
残念だな~と思いつつ、ふと隣に張り出されていた2年生のテスト結果に目を移してみた。
なんと10位以内に貴族が2人入っていた。1人は王女様で、もう1人は男子のようだ。
名前をしっかり覚えてドリー達と作戦会議をするため、人気の無い中庭のベンチへ移動した。
「ねえ、2年生のテスト結果を見たんだけど、3位に貴族の男子がいたわ!名前はジークフリード=ローリング……確か侯爵家だったと記憶してるんだけど……」
「確かにローリングと言うと侯爵家だね。誰か知ってる?」
ドリーの問いかけにアンナとサブリナは首を振った。とりあえず他にも……と言っても1年ではかろうじて王子が10位にいるくらいで、あとはみんな平民の1番下の子の下にしかいなかったので、却下と言うことで。
2年生は、13位と19位にも貴族の名前があったが、13位は女性の名前だったので19位のオーガスト=ヒックス子爵令息を調べることにした。