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入学式では在校生挨拶で、あの品のいい2人のうちのダークブラウンの髪の少女が挨拶をした。どうやら王女様だったらしい。うん、関わらない方が良さそうな気がしたのは正解だった。
そして新入生挨拶は、到着時に魔獣呼ばわりした少年だった……ご想像通り第2王子だそうだ……あんなのが王子とか、この国大丈夫か?と思ったのは仕方無いと思う。
その後、自分のクラスを貼り紙で確認すると、ドリーと同じクラスだった。残念ながらアンナとサブリナとはクラスが別れてしまったが、2人は同じクラスだったようで喜んでいた。
あの第2王子とも違うクラスのようでよかった。
今朝から気になっていたのだが、ミモレ丈のはずのスカートがやたら短い人が……観察していると、どうやらみんな貴族のようだ。
ちょうど膝が隠れるくらいの丈が一番多くて、次いで膝上……あの派手な3人組に至っては膝上15cm位ありそうだ。なんて破廉恥な……
気になったのでドリーに聞くと、貴族は婚活に来ているので自己アピールなんだそうだ……でもさすがに破廉恥過ぎやしないか?特にあの3人……短すぎて下品でしかないのだが……
それは入学祝のパーティーでも同じだった。とは言えさすがにスカートが短い訳ではなく、胸元が……開きすぎていて胸が……男性はああ言うのが好きなんだろうか?
くっ……完全に出遅れてしまったのか?星空の様な上品で素敵なドレスを着たディアナは、まるで月の女神のような美しさだったが、話しかけてくる男子生徒は誰もいなかった。
“なんだあの女神は……話しかけたいのにオーラが凄くて近付けないぞ……”
“え?あの女神が例の魔獣姫だと?”
“あの厩舎にいる魔獣の飼い主だと?”
“え?ウサギの餌と言って生肉を持っていっているだと?間違い無いのか?やっぱり魔獣姫なのか?”
“おい、誰か話しかけてみろよ”
等と噂されているとは露知らず、全くモテないと勘違いしてディアナは落ち込んでしまった。
あのくそ王子は女の子達に囲まれていると言うのに……あの子達のようにもっと積極的に行くべきだろうか……狙いは平民男子!いざ……
まさかの全敗だった……くっ、何故?ううう、そんなに逃げられるほど?やっぱり私って魔獣みたいなの?
話しかけてみようかな~と何となく近付くだけで、みんなさささささ~と逃げてしまうのだ。
「ディアナあのね、今は貴族同士の結婚が普通なのよ?
ここに来る平民はみんな優秀な成績で卒業して、エリートを目指してるの。だから貴族女性と関わりたいと思う様な人はいないと思うわ。
狙うなら貴族の嫡男以外の男性よ!とは言え、私達では貴族の家族構成まではよくわからないから、まずは情報収集から始めましょう?
まだあと2年あるし、婚活イベントも色々あるから大丈夫よ!それにディアナが美人過ぎて誰も話しかけてこないだけだから、そんなに落ち込まないで?」
「そうよ、あの王子様に群がってる女子より断然美人よ!」
「そう言えば王子様も次男よね……」
「いや、あいつ私を魔獣って言って切りかかってきたのよ!絶対無いから!
でもそっか~、家族で話し合って優秀な平民男子狙いで来たんだけど、知らない間に結婚事情も色々変わっちゃったのね。
う~ん、貴族のお婿さんに来てくれそうな人で、私のペット達とも仲良くやれて、優秀で強い男子っているのかしら?」
「理想高すぎじゃない?って魔獣!?ディアナが?え?あの王子様何考えてるの?」