泡
沈んでいく身体。水面を目指して突き進む二酸化炭素。暗闇を照らそうと必死に輝く外界の光。
そんな光に照らされて救われることはなく、今も暗闇へと沈んでいく。
私はどこへ行くのだろうか、この海の底はどんなだろうか。
──この暗闇はどこまで続くのだろうか。
嫌だ嫌だともがいたって重力に逆らえるわけがなく、そうする度にもっともっと沈んでいく気さえする。
助けて、助けて。
遠くの灯りに必死に叫んでもその声は届くことなく、ただただ遠くで輝いている。
きっと私は誰にも気づいてもらえないまま沈んでいくのだ。
誰にも振り向いてもらえず、手を差し伸べてももらえず、一人で何が出来るわけでもない私は
泡になって消えてしまったらいいのに。