はぐれ雲
掲載日:2014/09/09
はぐれ雲 夕陽に映えて
ヒグラシの声 夕夏に響く
ランドセル 弾ませて走る
笑うその歌が 胸を焦がす
さよならを躊躇わず言えた
あの頃が酷く懐かしい
またねと振る幼い手と手
いつからだろう
夕焼けを切なく思うのは
あの雲みたいに
はぐれてしまった僕
仲間も見つけられないまま
陽が落ちてしまえば
消えてしまう存在
さよならと最後に言った日
何となく分かってたんだ
もう君とは会えないこと
僕は上手く笑えてただろうか
一人で歩く帰り道で泣いていたこと
ばれていないだろうか
はぐれ雲 夜闇に消えた
ヒグラシは鳴き止み 静寂の中
帰る場所が分からなくて
僕は独り ほうと鳴いた
一人畦道を歩きながら
足は雲の流れる方へ
地平線まで行けたなら
また君に出会えるのかな
さよならは言えないまま
僕は今年も夏を重ねる
君の影を追いかけながら
あの日のさよならが
今も深く木霊するから
僕は独り ほうと鳴いた




