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杞憂

作者: ゆう

落ちて来る街を横目に眺めて 吹いて行く風に許しを請う

地面に頭を擦りつけて ただ君に許しを請う


この僕を許して下さい この僕こそに許しを下さい

並々平凡庸俗で十把一絡げに扱われるべきこの凡愚にどうか慰みを

どうか体を溶かすのを止めて どうか頭を撫でるのを止めて

僕はまだ息を吸っていたい 僕はもう息を吐きたくない


壁に向って愚痴りたい訳じゃない ただ君だけに聞いて欲しい

捨てた言葉の恨み辛みか 違う果実を齧った代償


さあ今直ぐに糸を垂らして さっさと僕に語りかけて

毒杯を煽った老人に言う なんであなたはいないのですか

敬虔で無知な娼婦に言う どうしてきみはいないんですか

その言葉は昇ってった


縋る足すら其処には見えなくて 拭う靴すら此所には有り得なく

口先だけの振動を


さあ


許しの秘跡を かぐわしの奇跡を

この心臓を切り落として 妙に重たいんだ

皆が目を閉じてくれたら僕は君と笑えるのかな

ねえ身を任せるからさ 僕を僕の意思から離して

その懐に包んでくれるのか 法則通りに結果が出るのか


空を想った時間にさよなら 落下する空にお早う

地面で嘆いた時間に決別を 街と同じ色をした手を見て思う


落ちて来る街を横目に眺めて 吹いて行く風に許しを請う

地面に全てを擦りつけて ただ君に許しを請う


自分を許せるのは自分だけなんでしょうか

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