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第Ⅲ話 『パンピーとは一般ピーポーの事です』

龍「おい誰だ!漢字間違えて書いた奴は!」

谷「そっちの方がカッコいいぞ。微妙に。」

名「少林寺拳法とかできそうだね。」

「あれ?…何で、俺が奢らなきゃならないんだ…?」

つい先程、隆次と名似何に助けを求めに来た目つきの悪い男が財布の中身を見ながら呟いた。

「翼を生やす為に決まってるだろ?」

「私は野菜が足りてなかったので。」

「………(本当にこいつ等大丈夫なのか…?)」


〜数分前〜

「あ、コンビニ発見。」

「そんなのどこにでも落ちてるじゃないか…。」

「いや、このコンビニはごく稀に消費税値引きしてくれるんよ。」

隆次は一軒のコンビニの前で突然立ち止まった。名似何も何となく立ち止まった。隆次が不可解な行動をする時は何かしら愉快な事や不愉快な事が起きるからだ。

「ちょっと、ヤンキーさんや。」

「なんだ?早くしないと仲間達が…」

「チャラくて肌黒の異様に強い野郎…だっけか?そいつなら多分、前にやり合ったことがあってだね…。」

「何!?本当か!?どうだったんだ?」

「瞬殺。隙をついて担ぎ上げて階段から投げ落としてやったさ。」

「え、エグいな…。」

「それくらい、俺たちにとってみれば楽な相手だって事だ。」

「そ、そうなのか。(何か、スゲぇ奴らが味方になってくれた!)」

「でもな、実は今、俺達は超絶喉が乾いてる。このままじゃ本気を出せないんだよ…。あとは、分かるな?」

「わかった!今すぐ買ってくる!何がいいんだ?」

「俺はレッドブルーでいいや。名似何は何がいい?」

「…え?私もか?…じゃあ、野菜政活で。」

暫く2人のやり取りを傍観していた名似何もちゃっかり買ってもらう事にした。



そして今に至る。

「翼を授かった様な感じがする今の俺に倒せないチャラ男は、あんまりいない!!」

「隆次、腹黒野郎が抜けてるよ。」

「……ハァ…」



ようやく、谷津冶達がいると思われるホームへ着いた。

そこには、円になって2人位を囲みながら飛ばされていく20人程の不良達の姿があった。

しかしそんな事には目もくれず、隆次は叫んだ。

「谷津冶はどこだ!?」

「あの円の中心にいると思うけど…ってもう一人ってもしかして…。」



「ちょ、お前等しつこいって!」

谷津冶はその黒い顔に呆れと困惑の色を浮かばせながら、迫り来る不良をちぎっては投げを繰り返していた。

その傍らには……


「わぁ…やっぱり梨田君は凄いです!もうただの人ってレベルじゃないくらい素敵です!」


……柳垣 真夕が不良達の一部をちぎっては投げていた。

「俺はパンピーだぁぁあああああああああ!!(泣)」



「今年早々、最も説得力の無い主張が出たね…ってあれ?隆次?」

つい先程まで名似何の横にいた筈の隆次が何時の間にか消えていた。

その事に名似何が気付くと同時に1人の悲しい男の声がホームに響いた。


『リア充氏ねぇぇい!!』


それと同時に何かが谷津冶の顔面目掛けて高速で投げられた。

「ぉお!危ね!?」

谷津冶は身体を捻り全力で避けた。

そして…


ゴイン!!!「うなぁ!!」

[クリティカルヒット!!]


「「「……あ。」」」


空気が凍りついた。

その場にいた者全てが息を呑んだ。

無関係な一般人に危害を加えてしまったからだ。

「やべ…ミスった。」

最初に隆次が口を開いた。

「おい、どうすんだよ隆次!パンピー巻き込んじまったぞ!ってか何でここに居るんだよ!そもそも俺もパンピーだよ!なんでこんなに絡まれるんだよ!もうどうすればいいんだよ!」

「ま、まず落ち着け、谷津冶。いつものことだ。」

「のぉおお!ごめんなさい!大丈夫っすか!?まさかあんな綺麗に当たるとは思わなくて!」

「…うん。流石の隆次も今回は洒落にならないって分かってるね。」

「しかしよ…何でレッドブルーの空き缶なんだ?」

「きっと好きなんだよ。」



「大丈夫っすか!?」

隆次は倒れた人の元へ駆け寄った。

「いてて……」

意識を取り戻したらしく、缶が当たった額を抑えながら中学生くらいの少女が起き上がった。そこで、隆次はふと気付いた。

「あれ…?高上?」

「え?あ、雷堂先輩。」

少女の名は『高上 未来』

つい最近、THE STEGOに入って来た生徒で隆次の学校の中等部に所属している。

THE STEGOでは隆次の学校の生徒は珍しい為、翌日には隆次が歓迎しに現れ、打ち解け合うようだ。(by THE SUTEGO現最高責任者)

「まさかお前が通るとは…」

「……よく言われます。」

そして筋金入りの不運さである。

「何何?誰?」

「隆次の知り合いか?」

名似何と谷津冶が駆け寄ってきた。遅れて真夕も残党を片付けてやって来た。

そうしていつもの馬鹿三人+2人で漫才に興じるのであった。

柳「頭大丈夫ですか?」

高「記憶は飛んでないので大丈夫です…」

隆「明日突然『イヤッホー!』とか叫んで窓ガラスを叩き割ったりとかするなよ?」

高「しませんよ!もう危ない人の領域じゃないですか!」

隆「いや分からんよ?脳細胞が急に変化してナトリウムが増えまくったりしたら」

高「単体のナトリウム増えたら爆発しませんか!?」

名「じゃあナトリウムの代わりに梨田が増えたら…」

谷「俺かよ!俺脳細胞になっちゃうのかよ!」

高「なりません!頭の中でヤンキーが増殖したら気色が悪いです!」

谷「ぉおぅ…こんな娘にまでヤンキー扱いされるのか…」

隆「仕方ないね。」

そうして一行は帰路に着いた。




翌日。

THE STEGOラウンジに隆次がやって来ると、少女が二人談話していた。

「あ、雷堂先輩こんにちわ。」

一人は昨日空き缶がクリティカルヒットした美がつく少女。

もう一人は、

「お、涅月じゃん。久しぶり。」

「3日前に会ったろ…。」

彼女は涅月 葉子。栄智高校に通う2年生でこちらも転校前の学校で人気投票二位になる程の容姿だが、本人はその事にあまり興味がない様子。

「尾九さん元気か?」

「相変わらず鬱陶しい。」

「言うと思いました。」

尾九というのは葉子の兄の事で、隆次が車に轢かれそうになった時に助けてもらって以来の仲である。

因みに、葉子の方が一歳年下なのだが、隆次に「お前は敬語を使うキャラじゃない!」と言われた為同学年の様に接している。

「ところで二人で何話してたんだ?」

「来週開かれる二人一組で参加する英語のイベントでペアを組みませんか?って話です。」

「あの名前の覚えにくいやつだ。」

「ああジャンボリーか…。そういやまだ決めてなかったな。」


THE STEGO主催イベント

イングリッシュ ジャンボリーまで

あと5日。

…すみません。隆次に若干愛着が湧きまして…。次からは頑張りますので、幻滅しないでください…お願いします。



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