第5章
第5章 華の影で ハナノカゲデ
聖架・・・あんな形で君と別れることになるなんて僕はとても悲しいよ。
だけど大丈夫だよ。
僕は一時も君の事を忘れたことは無い。
いつも君と共に歩んできたつもりだ。
・・・だけどやっぱり君の輝くような笑顔をもう見れないんだと実感してしまう日は悲しくてしょうがなかったんだ。
でももうその事で悲しまなくて済みそうだよ。
きっと・・・僕はもうじき君の所へ行くことになりそうだから。
きっと君はたくさんの綺麗な花に囲まれてこう言ってくれるだろう?
「待ってたの・・・いらっしゃい。」って。いつもそう出迎えてくれた様に。
〜〜〜聖架を眠らせた後の話〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「聖架ぁぁぁぁぁぁぁ〜!!!」
僕の叫び声を聞いて家族がこの部屋に駆け込んできた。
僕は泣きながら聖架の灰を拾い集めようとした。
「雅也っ!離れなさい!!」
ママとおばあちゃんに引っ張られ僕は聖架から引き離された。
そこへパパがきて聖架の灰に神父さんからもらった水をかけ、何かを呟いた。
ジュワァァァ・・・という音と共に聖架は跡形も無くなってしまった。
・・・はじめに出会った時に落とした金のネックレスだけを残して。
僕はママとおばあちゃんを振り払ってネックレスを拾った。
「聖架・・・。」
握り締めてそう言うとパパがこう言った。
「お前は正しいことをしたんだ、雅也。吸血鬼はお前の血を狙っていたんだよ!」
本当に・・・?聖架は僕を傷つけたりしなかったのに・・・?
「違う!聖架を悪く言うな!!聖架は僕がここに通うまで、何も知らずに静かに暮らしていたんだ!それに僕に手を出そうと思えばいつでもできた、なのに何もしなかった。僕が聖架を好きになったから・・・僕が聖架に会いたかったからこんな事に?・・・・・・聖架を悪く言うならパパ達はどうなるんだよ!無抵抗の人をあんな風に殺してっ。皆・・・みんな僕に優しくしてくれてたのに・・・。」僕は泣いてしまってそれ以上何も言えなかった。
家に連れて帰られたけど僕は聖架を・・みんなを殺した家族と一緒に居たくなくて、家を出ることにした。春には高校生だし、バイトをしながら生活していける。親もある程度仕送りをしてくれると言っているが、僕はもう世話になりたくなかった。
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聖架・・・君と過ごした3年間は僕の生涯の宝物だよ。
君にどうしても会いたくなった時はネックレスの写真を見た。
君のお母さんだけど・・・とても君に似ている。
糸のように細い金色の髪。
どこか寂しげで吸い込まれそうになる海底のような瞳。
優しげに微笑む桜色の唇。
その写真を見てから瞳を閉じれば、まるでタイムスリップしたかのように君に会えた。
その夢が現実で、早く目が覚めればいいのにとよく思った。
・・・だけど君はいない。
側にはいつも君を感じるのに、僕の瞳には何も映らない。
だけどそんな悲しい日も今日で最後だ。
君という色が僕の側から消えて、僕の世界は真っ白だった。
そんな世界でよく何10年も生きてきただろ?
君を待たせすぎたかな?でも笑って待っててくれててだろ?
大丈夫・・・今、君の側に逝くよ。
未熟なのにだらだら書いてすみません^^;少しでも楽しんだり、何か感じて下さったら嬉しいんですが・・・。未熟なりにプロ目指していろいろ書いていくつもりですので、よろしくお願いします♪感想などくれると嬉しいです★