夏祭りの終わりに
掲載日:2025/10/20
夏休みの間、わたしは祖父母のいる田舎に送られる。二人とも、良い人だ。わたしに良くも悪くも興味がない。それでも、衣食住を当然のことのように用意してくれる。ほとんど、物置きになっている一人部屋だってある。
門限もないから、夜はよく一人で散歩をしていた。
いつからか、夜の散歩は二人になっていた。
三日月と新月の間みたいな、今にも暗闇に消えてしまいそうな月を見つけると、彼女は決まって「あ」とわざとらしく言って、空を見上げる。わたしが彼女の視線の先を追っていき、糸のような月を見つけたタイミングで──。
「悪くないね」
なんて、言って月みたいに笑う。
それを見るたびに、わたしは夏の終わりを感じる。
毎年、夏休みの間だけ田舎で出会う同い年くらいの女の子。彼女もこの時期だけここに来ているらしい。
わたしはあと何回、彼女とこうしていられるのだろうか。
いつ毎年口にする、さよならの言葉から「また会おうね」の意味が消えてしまうのだろう。
そんなことを考えると、また夜が涼しくなってきたなと実感する。
お久しぶりです。
筆を折りそうになってましたが、二次創作をするようになって、なんだかんだ書いてます。ペンネームが同じなのでもしかしたら、ご存知の方もいるかもなんて、ちょっと自惚れですかね。




