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ご主人様は星掬う人 ~碧眼の双子は星を求めて夜空を駆ける~  作者: 綾箏 黎


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布団の中での考えごと

すごく広いお風呂に入って、落ち着いたんだか落ち着かないのかよくわからない時間を過ごし、寝る準備を終えた。

もちろんベッドも自分があと三人ほど入りそうな大きさで、誰も見ていなかったので一人で転がったり跳んだりはねたりしてみる。

高い天井を見上げた。

これから俺たちはどうやって生きていけばいいんだろう。

俺たちがもし孤児じゃなかったら、どんな生活をしていたんだろう。

親の顔なんて知らないけど……なんで俺たちを捨てたのかな。

別に今更恨みなんてない。孤児院の前に置いてきてくれただけマシだと思う。世の中には路地裏とか、ゴミ箱同然の場所に子供を捨てる酷い親だっているのだから。

それに、俺とルーシャは一応ここまで無事にお貴族様に引き取られず生きてきた。

――まあ、ギリギリのところでこうなってしまったんだけれど。

俺たちは、きれいなゆりかごに入った状態で孤児院の前に置き去りにされていたらしい。

ゆりかごに入るにしては成長しすぎていて様子がおかしく、赤ちゃんが二人で入ってちょうどいい位の大きさのゆりかごが二つあって、それぞれに俺たちが寝ていたようだ。

何しろその時点で推定三歳。ゆりかごに入る年齢ではないだろう。

そして、そのゆりかごに添えられていた白いハンカチに、『ユリウス』と『ルーシャ』の刺繍が入れられていたようだ。

自分でも思うし話してくれた孤児院の先生も言っていたが、何とも不自然でならない。

めちゃくちゃ大事にされてそうなのに孤児院に捨てられたなんて。

そういえば、今日は馬車の中でスヴェルトが戦争の話をしていたのが一番印象に残った。

もちろん、今日はいろいろありすぎて頭はパンク寸前なんだけど、不自然に会話を切ったスヴェルトの顔が何となく頭から離れないのだ。

あまり気にしたことがなかったので忘れていたけれど、俺たちが孤児院に捨てられたころ、戦争があっていたらしい。

孤児院の先生は、俺たちは多分戦争孤児なのだと言った。

でも、戦争で親が死んでしまったのなら、ゆりかごに寝た状態で置き去りにされているのはやっぱりおかしいと思う。

自分たちの足でここまでたどり着いたのなら納得できるけれど、ゆりかごに入れて置き去りにいるのは親が生きているうちにすることだ。

今日は疲れがたまっていたし、考えごとをしているとだんだん睡魔が襲ってきて、俺は深い眠りについた。

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