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vol.6

二人分の飲み物を持って席に戻ってくると、彼女はテーブルに突っ伏して爆睡していた。


「・・・」


 僕は彼女の頭に盛大なチョップをかましてやった。


「いったーーーーい!!何すんのよだぽん!!」

「ぐうすか寝てんじゃねーー!!ほら見ろ!せっかく貸してやった僕のジャケットを枕にして寝やがって!ヨダレでべちょべちょじゃないか!!どうしてくれんだ!」

「うぅ・・・ごめんなさぁい・・・」

「今から僕の人生に関わること全部聞かせてもらうんだよ!?緊張感持ってくれよ!」

「はぁいだぽん・・・」


 彼女は反省したようで、姿勢を正して座り直すと、ホットハニーカフェオレをふうふうしながら飲み始めた。・・・どうやら、猫舌らしい。・・・か、可愛いな。


「それで、だ」


 何から聞けば良いかな。僕を線路に落としたのは、わざとなのか。何度も東大受験の邪魔をしたのは本当なのか。だとしたら、それはなぜか。そもそも、何でビキニ姿なのか。色々聞きたいことはあるのだが・・・まずは。


「おまえ・・・一体何者なんだ?」


 一番聞きたかったこと。それは、こいつは一体誰なのかということだった。僕の名前を知っていたのは、一体なぜなのか。まず最初に、それが知りたかった。すると、彼女は大きな瞳を突然キラキラさせて、ハニーカフェオレが入ったカップを置いておもむろに立ち上がり、



「困っている子はいないかな?わたしの魔法で助けてあげる!ビキニ姿の魔法少女、マロンちゃん、ここに参上だぽん!!」



「・・・と、とりあえず、座ろう、な?」


 ・・・喫茶店に入った僕がバカだったのか。大きな声で意味不明な事を叫び、さらにセーラームーンのような決めポーズをしながら華麗にウインクを決めやがったビキニ姿の美少女は、完全に喫茶店中の注目を浴びていた。僕が恥ずかしい、僕が恥ずかしいから、お願いだから座ってくれ。


「あれぇ?英司くん、わたしポーズ決まってなかった?けっこう練習したのになぁー」

「決まってた、決まってたよ、問題はそこじゃないんだ。」


 座りながら、見当違いの心配をする彼女・・・マロン、ちゃん。マロンって・・・名前か?外国人・・・?じゃ、ないよな。どう見ても、純日本人だ。大きくて黒い瞳は、見つめているとドキドキするほど綺麗だし、肩まで伸びた髪もつやつやで真っ黒で、思わずなでてしまいそうになるし、露出が過ぎた肌は、白くて透き通っていて、なんだか吸い付きたくなってしまう。・・・って、僕はなにベタ褒めしてんだ!


「マロン・・・って、本名か?」

「まっさかーだぽん。マロンは、学園ネームだよ?学園で、先生達にはこう呼ばれているの。あと、魔法少女として活躍するときもこの名前を使うのこと。本名は、山田花子だよ。花ちゃんって、呼んでね☆」

「・・・本名、普通なんだな・・・」


 山田花子さんって、普通すぎて、逆に珍しいんじゃないのか?


「それで?ま・・・魔法少女ってのは、本当なのか?頭がおかしいんじゃなくってか?」

「うん、本当だぽん。わたしはね・・・



魔法学校、ビビディ・バビディ・ブー学園の一年生なの。



そこで、いっぱい勉強して、困っている人を助けてあげるのが、夢なんだ!」

「ビ・・ビビディ・・・?」

「ビビディ・バビディ・ブー学園!英司くんも入学するんだから、ちゃんと名前覚えなきゃだめだぽん!あ!もしかして、覚えられないの?英司くんってけっこう頭・・・悪いの・・・かな?プププー」

「おまえは少し黙っていてくれ!・・・って僕も入学するって、どういうことだよ!?」


 こいつ・・・一体、何を言ってやがる・・・?・・・ぼ、僕をこれ以上巻き込まないでくれーー!!!!!

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