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vol.24

僕は決意を高らかに宣言し、感無量で席につく。みんなの顔を見渡すと、全員が箸を持ち、口を開けたまま唖然としていた。


「え・・・英司くん・・・昨日とはずいぶん態度が違いますね・・・」(レインボー先生)

「え・・・英司くんがなんか格好良いだぽん・・・」(マロン)

「え・・・英司くん、イカスわあ☆」(ヒカリ姉さん)

「え・・・英司、お前すげーなっ!俺、親友になっても良いぜ!?」(ピエール)

「え・・・英司くん、ちょっぴり惚れちゃいました・・・」(ドレイちゃん)


・・・え?え?え!??僕の株、今急上昇??そうか・・・僕は悟る。僕は今まで、自分の思ったことや考えたことに素直に従ったことってなかったもんな・・・自分の思ったことの実現に向けて努力するって、こんなに素晴らしいことなんだ。ド、ドレイちゃんにも惚れられちゃったしなっ!


「すごいですわ、英司くん。素晴らしい!我が校の為に一生懸命になってくださるんですね!ありがとうございます!でも・・・なにか作戦でも?ジーニー魔法大学院の内部については詳細がほとんど明らかになっていないんですよ?」

「まかせてください。これでも僕、東大受験の模試判定Aランクを何度も取った男ですよ?頭の回転には自信があります」


そう、僕には自信があった。今まで躊躇していた分、これからは自分の為、そして今はビビディ・バビディ・ブー学園の為に精一杯この脳みそを活用する。してやるんだ!この学園に入学するつもりはないけどな!


「とにかく、腹が減っては戦はできぬ。みなさん、朝ご飯を食べた後、作戦会議です!」


☆☆☆☆☆


「ジーニー魔法大学院は、先ほどレインボー校長先生がおっしゃった通り、本当に秘密主義の学校のようです。しかし、その学院の校長、ジーニー長老が、生徒を奴隷のように扱っていることはどうやら確かなようです。それに、この学院から卒業生はいまだかつて1人も出ていません。もう創立15年になるのにですよ?怪しい臭いはぷんぷんします。それに・・・僕は、この東大受験経験の豊富な有能な脳みそをフル活用し、ある結論に至りました。きっと、ジーニー長老は、体の不自由な老人なのではないか?それで、自分の身の回りのお世話をする人が必要となり、自分を魔法使いだと嘘をついてまで、生徒を集めてお世話をさせているのではないか?僕の結論が正しければ、問題解決も一瞬!そうです!ジーニー長老のお世話をする人を雇えばきっと生徒達も解放されるのです!」


僕は朝食の後、教室にみんなを集めて、朝から必死に考えて得た結論をみんなに報告した。みんながきっとそうだ、そうに違いないと口々に言っている横で、マロンがぼそっとつぶやく。


「そうかなあ・・・私は違うと思うのこと。ジーニー長老はただのエロオヤジで、女の子だけを集めて好き勝手してるとか、そんな気がするぽん・・・」

「マロン、お前はよくそんなえげつないことが言えるな?ジーニー長老はきっと孤独で寂しいお方なんだぞ?お前、ジーニー長老に出会ったら謝れよ」

「うーん・・・そうかなあだぽん・・・単なる性欲が溢れでちゃうエロオヤジにしか考えられないだぽん・・・」


・・・このときの僕は、マロンの発言に対してバカにすることしかできなかった。もう少し僕にマロンの発言を受け入れる姿勢ができていれば、それに、マロンに説得力があれば、僕たちとジーニー長老との戦いの結果は、変わっていたのかもしれないな・・・

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