vol.21
・・・ここは、東京、立川。真冬の澄んだ空の下、多摩モノレールが勢いよく走っていく。
「・・・ワシは、エロイな」
モノレールを見上げながら、1人の老人がニヤッと笑う。
彼の名は、ジーニー長老。ジーニー魔法大学院の校長であり、大魔法使いである。・・・が、しかし、彼は魔法が全く使えない。彼の能力はただ一つ。性欲をあえて押さえつけないという能力のみ。彼は、自らのあふれ出てとまらない性欲を満たす為にはどんなことでも行うという男だった。
ジーニー魔法大学院は、日本、いや、世界中の魔法学校の中で最も秘密主義な学校だ。「彼らは学校でどんなことを習っているのか」、「きっと高度な魔法を習っているに違いない」、「魔法学校にいれるならジーニー魔法大学院で決まりだ」・・・魔法学校に子供を入学させたい親は、このような噂に惑わされて次々と子供を入学させ、ジーニー魔法大学院はまたたく間に大きくなった。
しかし、ジーニー魔法大学院に入学した生徒は、いまだかつて1人も卒業した生徒はいない。これに関しても「きっと素晴らしい学校だから、卒業試験が難しいに違いない」、「卒業して家に帰ってくる頃には、どんな立派な魔法使いになっているか首を長くして待っていよう」・・・と、生徒の親達は何の疑問も持たずにいるのだった。
しかし、ジーニー魔法大学院の実態は、驚愕のものであった。まず、入学してくる生徒は1人残らず女子ばかり。ジーニー長老の性欲を満たすためだけに設立された学校なのだから、当たり前だろう。そして、入学してすぐに、生徒達は、ジーニー長老がどんなに立派な魔法使いであるかをジーニー長老自らが語り聞かせ、洗脳し、長老の奴隷にさせてしまうのであった。よって、ジーニー長老の奴隷の女性の数、実に100人。彼女らは、自らがどうしてここにいるのか、何をしに来たのかについての疑問をもつことなく、ただ長老に仕え続けているのだった。