表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/76

第67話:紡がれる絆

「最後の調整です」


Atelier Traditionの展示室で、千秋はさくらのウェディングドレスを見つめていた。結婚式から半年。最高の形に仕上がったドレスは、今や伝統と革新の象徴として、多くの人々の注目を集めていた。


「本当に」さくらが感動的な表情で。「素敵な作品になりましたね」


特別展示として公開されることになったドレス。朝日を受けて、シルクの布地が神々しい輝きを放っている。


「これこそ」マリーが熱心にメモを取りながら。「伝統と革新の完璧な調和」


その時、アトリエのドアが開く。


「失礼します」


蓮が入ってきた。完璧なスーツ姿の中に、穏やかな幸せが滲んでいる。


「風間さん」蓮が近づく。「特別展の準備は」


「はい」千秋が頷く。「全て、整いました」


明日からの特別展。さくらのドレスを中心に、伝統技法の歴史と未来を紹介する企画だ。


「それにしても」春樹が入ってきながら。「随分と変わったね」


確かに。この半年の変化は、誰の目にも明らかだった。研修生たちの成長。世界からの注目。そして、二人の絆の深まり。


「全ては」さくらが優しく微笑む。「このドレスから始まった」


千秋は静かに頷いた。

一着のドレスが紡いだ、奇跡のような物語。


「そして」蓮が千秋の方を向く。「新しい家族としても」


その言葉に、千秋の胸が温かくなる。


「本当に」さくらが嬉しそうに。「素敵な姉になってくれて」


その時、研修生たちが入ってきた。


「先生」若手デザイナーの一人が報告する。「特別展の準備が」


彼らの成長ぶりは、目を見張るものがあった。伝統技法を真摯に学びながら、新しい可能性を追求する姿勢。


「みんな」千秋が優しく言う。「本当によく頑張ってくれました」


「いいえ」研修生たちが深々と頭を下げる。「先生方のおかげです」


アトリエには、朝の光が満ちていく。

その光が、新しい時代の到来を告げるよう。


「さて」春樹が立ち上がる。「特別展の最終確認を」


展示レイアウトの確認が始まる。

ドレスを中心に、技法の進化が物語のように配置されていた。


「ここに」千秋が説明する。「伝統的な技法の基礎を」


「そして」蓮が続ける。「現代への進化の過程を」


二人の言葉は自然と重なり合い、互いの想いを補完していく。


マリーは、そんな様子を熱心に取材していた。

「まさに、理想的なパートナーシップ」


さくらと春樹も、温かく見守っている。

「本当に、幸せそう」


アトリエの窓から、京都の街並みが見える。

伝統と現代が調和する景色。

まるで、二人の人生のように。


「風間さん」蓮が静かに声をかける。「この半年を振り返って」


「はい」千秋も柔らかく微笑む。「全てが、夢のよう」


二人で築いてきた日々。

研修生たちの成長を見守り、新しい技法を確立し、そして家族として歩み始めた時間。


「これからも」蓮が千秋の手を取る。「共に、歩んでいきましょう」


「はい」千秋も力強く。「私たちの道を」


アトリエには、新しい風が吹き始めていた。

それは伝統と革新の風。

そして、永遠の愛を誓った二人の物語の風。


二本の針が、朝の光を受けて輝いている。

それは過去から未来への架け橋。

そして、二人の絆の証。


全てが、今、新しい形で紡がれていく。

それは伝統と革新の調和。

そして、家族として歩み始めた幸せな日々。


(つづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ