表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/373

プロローグ 古羊姉妹は『女神さま』である

挿絵(By みてみん)

 俺の通う高校には『双子(ふたご)(ひめ)』と呼ばれる美人姉妹がいる。


 ……いきなりこんな頭の悪そうな事を口走って申し訳ないとは思うのだが、事実なのだから仕方がない。


 姉の名前は古羊芽衣(こひつじめい)


 妹の名前は古羊(こひつじ)洋子(ようこ)


 俺たちの通う県立森実(もりみ)高校において彼女たちを知らない人間はまずいないだろう。


 もし知らないという奴がいれば、そいつはホモかモグリに違いない。


 文武両道。容姿端麗。眉目秀麗(びもくしゅうれい)。偉才秀才、エトセトラ、エトセトラ……。


 太陽の光を一身に受け止めたような光り輝く亜麻色の髪。


 スラッとしたモデル顔負けのボディーに初雪が降りそそいだかのような白い肌。


 神に選ばれたとしか思えないその容姿に、誰に対しても朗らかな笑みを崩すことがないその姿は、この森実高校においてもはや生きる伝説とさえなっている。


 誰もが羨むパーフェクトな容姿と成績を誇る双子姉妹。


 高嶺の花という言葉があるが、この言葉は彼女たちのためにあるようなもの――とまことしやかに(ささや)かれている女子生徒、それが『双子姫』である。


 一部生徒たちからは、女神の生まれ変わりだとか、この世に蘇った聖母マリアだとも言われているが、真相は定かではない。


 おそらくどちらも正解だろう。


 風の噂では、ひよこクラブならぬ『古羊クラブ』なるものが男子生徒の間で発足しているらしい。


 この双子姫に手を出したら最後、例え永遠の愛を約束した恋人だろうが、その髪の毛1本に至るまで必ず瀬戸内海に沈めるという【(おとこ)の誓い】ならぬイカれた誓いを立てている男子が多数いるらしい。


 そんなサイコパスなヤツらに見つかったら最後、中世の魔女裁判よろしく火あぶり拷問されたあげく、瀬戸内海の魚のエサにされるのが目に見えている。


 まぁ要するにTHE☆人畜無害を地でいく俺、大神士狼(おおかみしろう)とは縁もゆかりもない女の子たちということだ。


 まさにまったく別の人種。


 生きている次元が違う。


 下手をしたら遺伝子の構造からして違うかもしれない。


 それくらい俺とは縁もゆかりも無い女の子たちなのだ。


 おそらくこの先の人生、彼女たちと関わることはもうないだろうと確信していた。


 それが例え、2年に進級して双子姫の姉の方と同じクラスになったとしても疑うことはなかった。








 さて、話はごくごく自然に横に逸れるのだが『おっぱい』について話そうと思う。








 ……いや待ってくれ、俺は正常だ。


 とりあえず、その取り出したスマホはしまって欲しい。


 色々と言いたいことはあるだろうが、まずは聞いて欲しい。




 ――おっぱい。




 この僅か4文字が宿す魂の熱量は一体何なのだろうか?


『何を言っているのか分からない』とか『コイツはバカか?』と思う人がこの場に居るのであれば、試しにスクランブル交差点の中央でこの単語を呟いてみて欲しい。


 おそらく、誰もが一斉に発言者を見やり『コイツ正気か!?』と驚きに満ちた表情を浮かべることだろう。


 それはつまり【おっぱい】というこの単語そのものに何らかの力があることは明白であり、他の単語には無い『特別なナニか』を宿していると言えるだろう。


 さて、なぜ急に俺が『おっぱい』について熱く語りだしたかと思う?


 答えは簡単。






 古羊(姉)がお乳丸出しのまま、俺を殺そうと襲い掛かってきているからだよ♪






「あ、あばばばばばばっ!?!?」

「ぐるるるるるるるるるっ!!」

「逃げてッ! オオカミくん、早く逃げてッ!?」




 姉の腰にしがみついていた妹――古羊洋子が、必死の形相で俺に『逃げろ!』と叫んでくる。


 場所は人気の居ない、放課後の雑木林の中。


 そこで俺はナイフで制服がズタズタにされて、おっぱい丸出しの会長閣下(間違いなくAカップ)に、比喩ではなくマジで殴殺(おうさつ)されそうになっていた。


 会長の手には無駄に鋭く尖った石が握られていて……はっは~ん?


 さては俺、ここで死ぬな?




「ナニをしてるの!? はやく逃げてぇぇぇ~~~っ!」




 そんな妹を尻目に制服が着崩れ、大変ふわ~お❤ な格好をした古羊姉が、犬歯剥き出しで唸りながら俺を睨みつけていた。


 そのとき俺の脳裏に弾けたのは、半ば直感的な感情だった。




 ――死にたくない!




 ソレは理性とか本能とか、全てをかなぐり捨てた魂の声だった。




「ッ!?」




 気がつくと俺は、推定Aカップが放つカタギとは思えない殺気を前に、慌ててその場を逃げ出していた。




「あっ、コラ待ちなさいッ! 待てやゴルァッ!?」

ステイ(待て)、ステイッ! メイちゃん、ステイッ!」




 荒ぶるお姉さんの声を聞きながら、どうしてこんな事になったのか、俺は必死に今日1日の出来事を思い返していた。

ヤバイと思いましたが、性癖を抑えきれませんでした。


流行りをガン無視して自分の好きなように書いてしまった結果、主人公とヒロインたちが頭のネジが外れて股間にぶっ刺さったような性格になりましたが、後悔はありません。


『テメェの信じた1つの道を、テメェやり方で貫き通す!』をコンセプトに、一応頭のテッペンから真っ直ぐ股間をブチ抜いた芯のある主人公になっておりますので、それでもよければお付き合いのほどをよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ