パパと呼んで…。 vol.082 「初めて…、赤ちゃん…、抱いた。」
「しかも…、絢が泣かなかった…って…。それより…笑ってた…。キャッキャッ…て…。」
麻衣子。
「なんでだろ…???」
「し~っかし、この子は良い顔してるね~。いっつもニコニコだぁ~~。」
絢を抱きながら敏光。縁側で庭を見ながら。
「ん…???何か…、臭うぞ…。あれ…。れれれれ…。」
「あ~~。パパ~~。オムツオムツ~。ははは…。」
椅子から離れながら麻衣子。
寝室から出てきた順子、
「ん~~???かかか、絢…、出ましたか~~。」
麻美、スマホの電話番号検索を見ながら…、
「き・も・と・こ・う・い・ち…か。ふん。いい感じじゃん。」
そんな風に感じながらも、一瞬、頭に過ったもう一人の顔。
「わっ。わわわわわわ。う~っわ。びっくりした~。なんで、頭に浮かぶかな~。」
「ほい、浩、どいた、どいた、取り込みの邪~魔。かかか。」
小枝子。
「どうだったぃ、食事会。楽しかったかぃ。え~~。」
「ん~???うん。良い人たちばっかり。」
「そっ。良かったじゃん。ひゃ~。良い天気だ、しっかりと乾いたね~。へっへっへっ。」
「母さん…。」
「ん~~???」
「くく…。」
バルコニーの手すりに両肘を掛けて…。
「な~んだよ、そのにやけた笑い~???ば~かな子~。」
「初めて…、赤ちゃん…、抱いた。」
にやけながら浩一。
小枝子、
「はっ…???」
「しかも…、その赤ちゃん、俺…抱いても…泣かなかった。むしろ…、笑ってた。」
「浩…。」
「赤ちゃんって…、かっわいいよな~~。」
「浩…。あんた…、まさか…。」
「…ん…???」
洗濯物を胸に小枝子、
「…ん…???あっ、いや…。なんでもない。はは。だよ~。かっわいいもんだよ、赤ちゃんって。お前も柚も、可愛かったんだから…。」
「はぁ~~。なんか言った~母さん…???」
丁度勉強の合間に、外の空気を吸いたくなって部屋から出てきた柚。
「ん~~???浩も柚も赤ちゃんのときは可愛かったって、言ってんの。」
柚、
「はっ…???何、それ…???かかかか。」
そのまま冷蔵庫に振り返って、ドアを開けて麦茶のポットを取り出す柚。
「食事会で、何か、楽しそうな事、あったようだね、浩。」
そんな母親の声に浩一、
「うん。」
ニッコリと。
小枝子、
「そうかい。うん。」




