パパと呼んで…。 vol.005 「あったりまえじゃない。」
そんな笑顔の麻衣子を見ながら…、
「あったりまえじゃない。この3週間、ママ以上に心配だったんだから…。」
「はは…。はいはい。お2人のありがたさ、身に染みております~。ふふ…。」
そして、夕食を食べながら、
「おいおい、マコ。本当に良いのか~アパートで~。」
敏光。
「うん。私…、考えたんだけど…。もしこれを切っ掛けに、アパート引き払って、こっちに戻ってくると、逆に…立ち直れなくなるって…感じ…、するの。」
麻衣子。
「そんな…。無理しなくっても、いいんだけどな~。結婚前みたいに、生活すりゃ…良いだけじゃないのお~???」
そんな敏光に、
「もう~パパ~。心配し過ぎ~。」
敏光、
「ん~~。」
「それに…。」
「それに…。何…マコ…???」
順子。
何かしら変顔のままで麻衣子、
「な~んかさ…。変な…感覚も…、あったりして…。」
「はぁ~???」
口を開けて順子と敏光。
「何よ、お姉ちゃん???」
麻衣子の隣で目をパチクリしている麻美。
テーブルの下で、右足を前に後ろに麻衣子、
「…出戻りみたいで…。」
「ぶっ!!!」
敏光。
「わ~~パパ~」
麻美、
「ここまで飛んできた~。」
「きったな~い。パ~パ~~。」
いきなり順子。そう言いながらも、
「くくくく…。」
麻衣子に向かって敏光、
「おまえ!!!……。」
目をアチラコチラに敏光、
「何、ばかな事…。…ママ。」
そう言って順子を見ながら…。
「お姉~ちゃん。」
麻美。
「何よ。」
麻衣子。
「バカな事、言ってないで、はいはい。食べましょ。くくくく。」
順子。
それから2日後の日曜日、
麻衣子は再び高志との生活感がそのまま残っているアパートへと…。
「ただいま…っと~。」
全ての部屋を覗いて、窓を開けて外の景色を観る。
「帰ってきたよ、高志~。」
まだ複雑な心境は残っていた。
その証拠に、アパートに着いた瞬間から、目は潤んでいた。
外を観ながら、伝う涙。けれどもそれを手の甲で拭き取って、
「甘えてらんない。頑張んなきゃ。ねぇ~麻衣子~。…ん…???」
玄関からチャイム。
「おっと~。チズ~~。」
「ばっかもん。私に何にも言わずに、こっち来て~。こんにゃろ。電話したの知らなかったの~???」
知寿子。




