パパと呼んで…。 vol.030 「誰かに噂されてるって~???かかか…。」
「ん~~。まさか…風邪じゃないでしょうね~。引越して早々…。」
キッチンから料理が盛られたお皿をお盆の上に、母親の小枝子。
「誰かに噂されてるって~???かかか…。」
柚。
「あ~~。もしかして…、侑佳さん…だったりして…。」
そんな柚の顔を見て小枝子、少しばかり苦笑いをして…。
浩一、
「な~訳ないだろ。今頃、しっかりと…、社長夫人…してんじゃないのぉ~。」
「しっかし…、今でも不思議だね~。あ~んなにさ、好き合っていた同士が、ああも簡単に…、別れるんだから…。」
「仕方ねぇだろ…。事が事だったんだもんよ~。」
「まさかね~。侑佳さんのお腹にね~。」
「はいはい。浩、早くご飯済ませて、片付かないよ、母さん。」
過ぎた話はここまで。
と言うように話の腰を折って、浩一のご飯に催促をする小枝子。
「さ~てと、私はお風呂~。」
柚。
「んふ…。はは…、さすがに母さんのこのカツは…旨ぇや。」
その浩一の声に小枝子、
「ふふ…。…浩…。お前…。」
「…ん…???」
「ん~や。何でも…。さて…、お布団…敷こうかねぇ~、母さんは。それにしても…、綺麗だ~この花。」
浩一、
「うん。」
「珍しいよね~。あんたが母さんの誕生日に花束なんて…。」
「…ん…???ん~。まぁね…。」
「素直に…嬉しいよ、母さん。ありがとね。…明日は帰り、どうなの…。母さんの誕生日、美味しい料理でも…。」
「うん。多分…大丈夫。期待してるよ。旨いもん。」
「ふふ…。」
「ごめ~ん母さ~ん…。」
いきなりお風呂場の方からバスタオル一枚羽織っただけで柚。
「何してんのあんた???」
小枝子。
「シャンプーの替え…ない…???」
顔の前で右手を縦に。
「はぁ~あ???…全く…。」
立ち上がって小枝子、
「しょうもない子だね~。そこの棚の中にあるでしょ、母さんの~。」
そのままお風呂場に…。
その隙に自分の好きな番組にチャンネルを変える浩一。
「ちょっ…と…、浩…???」
小枝子。
「はぁ…???」
「…あんたのシャンプー…。」
目をパチクリの浩一。
「ごめん。今晩一回だけ…。」
「はい…???」
「へへ…。母さんのも…切らしてた。」
「う~っそ…。」




