パパと呼んで…。 vol.027 「…何を考えているんだろう、私は…。」
「…???あれ…???パパ、確か…お母さんの誕生日とかで…、お花、買ってったけど…???」
目をパチクリして知寿子。
悠馬、
「あぁ…、木本…、神戸にいたとき、親父さん…亡くしてるんだ。癌でね。それからはお袋さんと妹と3人暮らし。」
「ふ~ん。」
「妹さんが今、東京の大学の学生寮で生活してるから、今回の異動を機に親子でこっちで生活する事にしたらしい。」
「な~るほどね~。」
「パ~パ…。」
寿がぬいぐるみを持って悠馬の右太ももに擦りつけるように…。
「お~寿~、何して遊ぶ~~。…と言うより、もう眠る時間だぞ~。」
そう言いながら寿を抱き上げる悠馬。
それを見ていた知寿子、いきなり、
「わっ!!!」
「うお~、びっくりした~。どしたの~ママ~。」
いきなり声を出した知寿子。声を出したはいいが…、
そのまま、寿と悠馬を見ながら、今度は変顔をして、
「あっ、いや。別に…。何でもないや。…ははははは…。」
その瞬間、頭の中で…、
「…何を考えているんだろう、私は…。あり得ないでしょ…、そんな事…。」
何故か訳が分からず照れ臭そうに笑いながら、
悠馬から寿を預かり敷き布団の上に横にする知寿子。
「パパ、寿、寝かし付けるから、食べてていいよ。」
「おっ、お~。」
高志の写真の前で立ったまま絢を抱きながらあやしている麻衣子。
「絢~、パパの顔だよ~。」
絢の顔を見ながら、写真の高志の顔を見ながら…。
「おっ、笑ったな~こいつ~。」
そして、
「あっちゃ~~。さすがに絢の顔…見れなかったか~。」
帰宅した敏光。
「ふん。丁度30分前に帰ったとこ。買い物してあるからご飯作って食べる~って。どっちにしろまだ麻美も帰って来てないし…。今日は何かしら…お忙しいようで。」
順子。
「や~れ、やれやれ。…って事は、土日しか…、絢に会えないんかな~。」
「な~に言ってんの~。自転車で通える程度の距離なんだから…。パパだったら、ウォーキングやランニングのついでにアパート行けるじゃない。」
確かにその通りで、麻衣子のアパートは、中川家からは自転車でも15分程度の距離にある。
「パパのダイエットにも…丁度良いじゃない…。」
と、順子。
「それ…言われると…何とも…なぁ~。」




