パパと呼んで…。 vol.017 「ふ~ん…。そう言う…もんかな~。」
「いや~~。でも…、実際に、お姉ちゃんが…出来ちゃった。赤ちゃん…。私…、おばちゃん…。実感…。んもう~全く…湧かないね…かかか…。」
麻美。
「じゃ、あんたも早く、良い人、見っけて、結婚して、赤ちゃん、産んじゃう…???」
口を尖らせて麻衣子。
「や!!それは、や。私は…、まだ…いいね~。もう…少し…。ママとパパに…甘えたい。」
「何を~。この~。」
笑いながら敏光。
「な~んて言いながら、ねぇ~麻美~。途端に赤ちゃん生まれたら、私も結婚したい~に、なっちゃうも~んよ~。」
お味噌汁を啜りながら順子。
「ふ~ん…。そう言う…もんかな~。」
麻衣子と順子、顔を見合わせて、
「ふふふ…。」
ドアが開いて、
「ただいま~。」
悠馬。
「パパ~。」
タタタと走りながら寿。
「お~っと、寿~。ははは、ほ~ら、ほ~ら。」
寿を前にして、万歳の両腕を上に。両手を悠馬が掴んでゆっくりとキッチンへ。
知寿子、
「お帰り~。」
「ただいま~。…で…、マコ…???」
その悠馬の声ににっこりと両手でハートをお腹の前で描く。
それを見てすかさず悠馬ガッツポーズ。
そして今度は寿を両手で頭の上まで持ち上げ、
「寿みたいな可愛い女の子~産まれたらいいね~。」
そんな悠馬に便乗して、
「ねぇ~。ほんとだね~寿~。」
悠馬の左腕に首を抱かれながらの寿のオデコをツンツンと突っつく知寿子。
悠馬とふたり、にっこりと…。
そして年が明け、季節は春へと。
書類に目を通し、そして傍にあるスマホに目をやり、
今度は椅子から立ち上がり振り向いて窓際に立ち、腕組みを。
そしてまた椅子に掛け直し、書類に目を通し、スマホに…。
そんな行動を繰り返し、遂に。
「課~長~。…んもう~。病院…、行った方が良いんじゃ…。」
見兼ねて藍子。
「全く落ち着きないですけど~!!!」
敏光、
「えっ…。そう…???あ…、ごめん。」
そんな申し訳ないような声に数名の行員、クスクスと笑いながら。
「もう~。こっちがドキドキしちゃう。」
そんな藍子の声、面目なさそうに敏光。
麻衣子が激しい陣痛で、救急車で病院に運ばれ1時間経過。
分娩室の廊下の長椅子に知寿子と麻美。
そして分娩室には付き添いに母親の順子。
「は~い、可愛い女の子~。」




