パパと呼んで…。 vol.016 「娘が…。これでね。」
「ん~。はは…、そう…???」
敏光。
「えぇ~。何か…、良い事…ありました…???」
藍子。
「…ん…。まぁね…。」
「えっ…。何々…。何ですか、良い事って…???」
いきなり机から離れようとする藍子に、
「おいおい、笹峰君。」
その瞬間、周囲の数名の行員も敏光に注目する。
「参ったな…こりゃ…。」
頭を掻きながら、照れ臭そうに、
「娘が…。これでね。」
お腹で風船のゼスチャーをして。
「うっそ。麻衣子ちゃん、おめでた…。わは…。」
その藍子の声に数名の行員も、
「おめでとうございます。」
藍子、
「凄い、凄い、麻衣子ちゃん。」
そう言った後に…、
「あれ…???でも…課長…。麻衣子ちゃん…、旦那さま…???」
ちょっと心配そうな顔をして…。
「あぁ…。先月ね…。…でも…、本人が…決めた事だから…。うん。」
椅子に戻りながら。
「じゃ…奥様も…。」
「ん~。みんなで…育てて行こうって…。なってね。」
「へぇ~~。凄~い、素敵~。」
「ふふ…、ありがと。それより…、今度は、君らの番じゃないのかね…。ん~笹峰君…???」
チラリと千葉恒夫の方を見て…。
「あ~い。…分かってはいるんですけど…ね~。」
「ん~???どういう事…???」
何とも微妙な顔をして藍子、
「はいはい。まずは…、おめでとうございます。課長。」
「ふん。はは、ありがと。」
恒夫の顔を見ながら、
「ふ~ん…???」
「か~んぱ~い。」
中川家の食卓。
「はは、そうか~。あの藤森先生…診てくれたんだ~。確か…、チズちゃんの時も…、そうだったよな。…んじゃ、安心だね~マコ。とにかくおめでと。」
敏光。
「うん。画面見てて、涙…出ちゃってた。はは…。」
照れながら麻衣子。
「あ~~、ママも…おばあちゃんだね~。」
順子。
「とうとう、50にして…か…。」
「な~に、何回言ってんのよ~ママ~。」
笑いながら麻衣子。
「じゃ…、パパも…おじいちゃんじゃない。」
麻美。
「あ~~、51にして、おじいちゃんか~。」
天井を見ながら敏光。
「ばか、それを言うんなら、おま…23にして…おばちゃんだぞ。」
笑いながら敏光。
「わっ。わわわわ。やだ。そうだ、私…おばちゃんだ。やだ~~。」
麻美。
「な~に言ってんの、今更。私も麻美も、とっくに、寿ちゃんにとってはおばちゃんになってんだから…。」
「あっ、そっか…。かかか…。」




