パパと呼んで…。 vol.104 「奥さんになったげる。」
あの夜、一夜を共にした藍子、そして恒夫のふたり。
藍子の一押しが効いのか、それ以後一気にふたりの関係は深まって行った。
今までの3年間は何だったのかと思わせるほどに、
恒夫の方が藍子を求め出したのだった。
そしていよいよ、ある夜。
とあるホテルのレストランで、テーブル越しに目の前の藍子に、プロポーズ。
頭を搔きながら、
「藍ちゃん、待たせて…ごめん。俺…で…、良いのかな…???」
そんな恒夫に、藍子、
「ぷっ。何言ってんのよ、今更…。ツ~~しか…いないもん…、私…。」
「…結婚…、して…くれる…???」
「…くっ。はい…。ぷっ。うん。ツ~~の、奥さんになったげる。」
テーブルの下で、恒夫、右手でガッツポーズ。そして、右手で頭の後ろを搔いて、
「はは…、汗びっしょりだ。」
「…ったく~。旦那様~~。」
そして、
「ほい、ツ~~。小籠包。」
スミレに入れて、恒夫の口に、
「熱いよ~。」
藍子。
「うぉ~っほっほっほっ。うんうん、熱いけど…ナイスだ。うめ~~。」
ニコニコ笑顔で恒夫。
藍子、
「ふふ…。」
そしてコチラも、素麺を食べながら、
「うんうん。やっぱりこの季節はこれ…、良いよね~。」
敏光。
順子、
「藍子と恒夫さん、あの時のメールから一気に行っちゃったね~。ビックリしちゃったよ、いきなり、プロポーズ受けちゃったなんて電話来たから。」
「だよね~。はは。これで一安心だ。」
そんな敏光に、
「ま~だでしょ、パパ~。」
そんな順子に敏光、
「ん~~???」
「ウチにだってまだ、ふたり…、いるんだから…。」
その順子の声に、
「あっ…。」
「麻美はともかく、マコは…、絢がいるから尚更、パパが必要なんじゃ…。」
「ん~~。シングルマザーに…か…。ふ~ん。」
レンタルで借りたワゴン車の中で捷子、
「しっかし絢って凄いよね~。」
シートに前屈みになりながら…。
「ん~???」
真ん中の席に座っている麻衣子。
「全~然、泣かないもんね~。」
その捷子の声に、
「え~~。そんな事ないよ~。しっかりと泣く時は泣いちゃうよ~。」
麻衣子。
「うんうん。あるある。」
捷子の隣で麻美。




