表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載】人形令嬢は悪魔紳士に溺愛される  作者: 茜カナコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/64

56.イーディス

 イーディスが荷解きを終えたころ、アルフレッドはイーディスの部屋を訪ねた。


 アルフレッドはドアをノックした。ドアが開く。中にいたイーディスに声をかける。

「失礼いたします、アルフレッドです。昼食の準備が出来たらお知らせしますが、それまでおくつろぎください。疲れたでしょう? 飲み物でも運ばせましょうか?」

「お心遣いありがとうございます。飲み物は結構です」


 イーディスはピンと姿勢を正したままアルフレッドから目をそらし、部屋を一瞥した。

 白を基調とした家具と、机に置かれた青い花瓶に生けられた白いバラ。ベッドも白いシーツに桜色のクッションが置かれ、清潔で明るい印象を受ける。


「素敵なお部屋ですね」

 すました笑みを浮かべ、イーディスが言った。

「気に入っていただけて良かったです」

 アルフレッドは屈託のない笑顔で答える。


「それに、アルフレッド様も伺っていたような方ではないようですね」

 イーディスが白い手袋をはめた指先で口元を押さえて、アルフレッドを値踏みするような眼で見た。

「伯母のジェリーは私をどのように紹介したのでしょうか? ……聞くのが怖いです」

 アルフレッドはイーディを見つめ、にっこりと笑ってから一礼し、部屋を出た。


***


 応接間にもどったアルフレッドはため息をつき、フローラに言った。

「礼儀正しくするのは疲れるね。肩が凝ってガチガチだよ」

 フローラが慰めるようにアルフレッドに微笑みかける。


「そんなに無理をしても……。本性が隠しきれるものでもないのでは?」

「本性って……。そんなこと言わないでよ、フローラ。伯母さんに僕がきちんと生活しているって伝わらなかったら、イーディスさんと結婚させられちゃうよ。あの人、なんか怖いし、苦手だな」

 アルフレッドは両肩をすくめて首を左右に振った。フローラが机に置いてあった砂糖菓子をアルフレッドにすすめると、アルフレッドはそれを一つ指先で摘まみ上げて口に放り込んだ。


 アルフレッドはフローラの向かいのソファにどっかりと座ると背中をソファに預け、天井を見上げた。

「イーディス嬢と何を話せばいいのやら……。思いつかないなあ。まさか魔道具の話をするわけにはいかないし」

 アルフレッドが、今度は肘をソファの手すりにおいて頬杖をついてフローラを見た。


 フローラが首をかしげてアルフレッドに尋ねる。

「イーディス様をどこかに案内される予定は無いのですか?」

 アルフレッドの顔がパッと明るくなった。

「町を案内するか、教会を案内するか、両方か、考えてはいるよ? あ、一応バレエを見に行けるよう手配をしてあるから、その話をすればいいかな?」


 フローラは方眉を上げて、アルフレッドを見た。

「バレエ?」

「うん。三人でバレエを見に行こうと思ってるよ?」

「……初めて聞きました」

「あれ?言ってなかった? 明日、バレエを見に行けるようトレヴァーに手配してもらったよ?」


 アルフレッドはニコッと笑って机の上の砂糖菓子をもう一つ食べると、自分の部屋に向かって歩いて行った。


 一人広間に残されたフローラは砂糖菓子を見つめたままつぶやく。

「バレエを見に行く? イーディス様とアルフレッド様と私の三人で? ……どんな格好をすればいいのかしら? それにしても男性が一人で女性が二人というのは大丈夫なのかしら……?」


 フローラの眉間に深いしわが寄った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ