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【連載】人形令嬢は悪魔紳士に溺愛される  作者: 茜カナコ


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40/64

40.話し合いの後で

 教会の扉が開きアルフレッド達が表に出ると、ダリルが駆け寄ってきた。

「話し合いはどうだった!?」

「……」

 アルフレッドが首を横に振ると、ダリルは「くそっ」と言い舌打ちしてから教会をにらんだ。

「教会を燃やせ!」

「いけません!」

 アルフレッドがダリルを止めた。


「お父さん、もうやめて!」

「……!? お前、なぜここに来た!?」

「あなた、馬鹿なことはやめて。家に帰りましょう……」

 ダリルの妻と娘が、ダリルを迎えに来ていた。


「こんなところに来るんじゃない! ここは危険なんだ!」

 ダリルが妻と娘を追い返そうとしたとき、カイルが現れた。

「おや? まだ皆さん帰っていらっしゃらないのですか?」

 ダリルの顔が真っ青になった。ダリルは妻と娘がカイルから見えないようにしようとしたが、遅かった。


「ああ、この騒ぎの首謀者の……ご家族の方ですか? ……ふむ、あなたが魔女と言われているお嬢さんですね」

 カイルはダリルの娘に歩み寄ると、彼女の額に手をかざした。

「やめろ! なにをするつもりだ!?」

「ダリルさん、あなたが悪いのですよ。これは当然の報いです……」

「フローラ!」

 アルフレッドに名前を呼ばれたフローラは、カイルとダリルの娘の間に割り込んだ。


「魔女の刻印は……刻ませません!」

「……ふっ」

 カイルが呪文を唱えると、ダリルの娘の額に魔女の紋章が淡く光った。

「……させない!」

 フローラはダリルの娘に抱き着き、反射の呪文を唱えた。

「!?」

 カイルの右手に、魔女の紋章が刻まれた。


「くっ」

 カイルが膝をつき、うずくまる。

「何の騒ぎですか?」

「クリフ神官長様……」

 今にも倒れそうなカイルを見て、神官長クリフは眉をひそめた。

「カイル様が、また魔女の刻印を刻もうとしたので止めました」

 アルフレッドがそう言うと、クリフはカイルの右手を見て首を振った。


「待っていろ、カイル。今、解除の呪文を……」

「大丈夫です、神官長。そんなことをしたら、ただでさえ弱っているお体が……」

「お待ちください、神官長! 魔女の刻印の解除なら、私にもできますわ!」

 レイスが教会から飛び出してきた。


「レイス、魔女の刻印を解くには、大量の魔力が必要だ……。お前にそんな危険なことはもうさせたくない……」

「神官長……」

「さあ、神よ、奇跡を起こしたまえ!」

 神官長クリフが天を仰ぎ、呪文を唱えてから、カイルの右手に魔力を放った。

「クリフ神官長様……」


 カイルの顔に血の気が戻ってきた。反対にクリフの顔は青ざめている。

「神官長様、中でお休みください!」

「……」

 クリフは気を失っていた。カイルはクリフを抱え上げると、教会の中に運んで行った。

「今日のことは……ゆるしません」

 カイルがつぶやくと、ダリルが言った。


「お前らが、勝手に騒いで、勝手に傷ついただけじゃねえか!」

 カイルたちは民衆の声を背中に受けながら、教会の中に帰っていった。

「……お前たち、もう解散だ」

 アビントンがみんなに言った。

「……そうするか。みんな! 帰ろう!」

 ダリルは妻と娘を連れて、一番先に町に戻っていった。


 ばらばらと集まっていた町の人たちも、町へ帰っていった。

 教会の前には、アルフレッドとトレヴァー、フローラ、アビントンだけが残っていた。

「クリフ神官長は……大丈夫かなあ?」

「アルフレッド様、今は私たちにできることは何もないかと思いますが」

「だよねえ。僕たちも帰ろうか」

「俺は……教会でクリフの様子を見ていく」

「そうですか……。何かあったら、教えてください」

「分かったよ、ありがとうな、アルフレッド」


 トレヴァーが馬車を用意して、アルフレッド達は屋敷に帰った。

「カイル君もやりすぎだよね」

 アルフレッドの言葉に、フローラが反応した。

「……クリフ神官長が無事ならよいのですが……」

「そろそろ屋敷につきますよ」

 トレヴァーの声をきいて、アルフレッドとフローラは顔を上げた。


 三人は屋敷に着くと、それぞれの仕事に戻っていった。



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